スラム奏法 やり方とパターンの解説【アコギ特殊奏法】
Elina St-OngeによるPixabayからの画像

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おもち
スラム奏法の「スラム」はスラムダンクの「スラム」だよ

アコギの特殊奏法「スラム奏法」とは

スラム奏法は、
アコースティックギタリストのペッテリサリオラ氏の活躍で一躍有名になったアコギの特殊奏法です。

下記かなりラフな教則映像ですが、すべてがつまっております。

とにかく音にも見た目にも、かなり派手な演奏です。
ソロギターでも弾き語りでも、とてもパワフルな演奏にすることができます。

個々のギタリストの方々により継承・発展されてきているようで、
「ノリ」や「フィーリング」で扱われているところも大きく、
なかなか体系的に解説されることが少ない奏法でもあります。

私自身本当に演奏できているのかは未だに謎だったりもします(汗)

ですが、そういった「自由さ」がそもそも魅力だったりするのかもしれません。

ちなみに英語での表記の場合はslumではなくslamの方になります。
スラムダンクのスラムの方ですね。

「スラム奏法」の注意点とおすすめのアコギ

演奏の見た目通りアコギを「ぶっ叩き」まくります。
そのためエントリーモデルのアコギなど、
最悪壊れてしまっても大丈夫と思えるようなアコギで演奏することをおすすめします。

手のひらの掌の部分でボディを叩くためやはりそれなりにダメージがあります。
わかりやすいところですと、気が付くとペグのネジが極端にゆるくなっていたりします。

「一張羅のアコギ」ではお控えになることをおすすめします。
そういう面でも元々のつくりが良いのに価格が安く耐久性がある、
ヤマハかモリダイラ楽器(モーリス)の二つの二大国産ブランドのエントリーモデルは非常におすすめします。

ちなみにわたしはスラム奏法を知って以来、
ヤマハのエントリーモデルで真似事をはじめてそろそろ5-6年経ちますが、
いまだに壊れず健在です。

このような感じでスラム奏法っぽいソロギターに挑戦しています。

心理的にもスラム奏法にチャレンジしやすいアコギで取り組んでみましょう。

また演奏を通してチューニングがずれてしまいやすいため、
練習中もチューナーなどで随時確認してあげてください。

ボディ部分の無いサイレントギターではできない奏法ですのでご注意ください。
 

「スラム奏法」の基本パターン

スラム奏法の代表的な演奏パターンは下記の4つの動作で構成されております。

スラム奏法/代表的な演奏パターンの構成
  • 1.手の掌部分でボディを叩く(パームヒット)→バスドラムの音の印象
  • 2.フィンガーストロークで弦を弾く
  • 3.フィンガーストロークを終えた手の指でサウンドホール横のフレットボードを叩いてその場に止める→スネアドラムの音の印象
  • 4.フレットボードを叩いた指を上方向にずらしつつアップストロークする

 
以上を一回しとしてループさせて演奏していきます。
参考音源はこちらです。

それでは一動作ずつ確認していきましょう。
 

スラム奏法基本動作その1/「パームヒット」

スラム奏法基本動作「パームヒット」で叩く場所

まずは掌の付け根部分でボディを「ドン」と叩く、「パームヒット」です。
楽曲中のバスドラムの役割を果たします。

ボディめがけて振り下ろしたり当てに行くというより、
手首をアコギのボディをめがけて「手首を返してぶつける」という感覚です。
スラム奏法基本動作「パームヒット」で使う手のひら

ドアをノックするときや、車庫のシャッターをおろすときのような手首の形になります。
(昔のおもちゃ「ハイパーヨーヨー」の世代の方でしたら、ループザループの一発目の動作などもしっくりきます)

 

スラム奏法基本動作「パームヒット」のやり方

パームヒットからはじまることが大半ですので、まずはこの動作をマスターしていきましょう。
狙う場所はかなりサウンドホールよりでOKです。
 

パームヒットとともにフィンガーダウンストロークを

ボディを叩く動作に慣れましたら、同時にフィンガーストロークを入れてみましょう。
バスドラム音だけでさみしかった演奏が一気に迫力のあるはじまりに変わってくれます。

コツとしては手首を返してボディを打つときと同時に指を「グーパー」の「パー」にして弦に当てていきます。
続いてフィンガーストロークをもう一度行いますので、振り抜き過ぎないようにご注意ください。
 

スラム奏法基本動作その2/「フィンガーダウンストローク」

スラム奏法基本動作「フィンガーダウンストローク」の軌道

スラム奏法ではピックは使えませんのでフィンガーストロークで演奏を行っていきます。
基本動作その1のパームヒット後に行います。
次の動作のフレットボードを叩きやすくなるよう、指を振り抜いておくとスムーズです
スラム奏法基本動作「フィンガーダウンストローク」のやり方

ソロギター等インスト演奏の場合でも、
指板側でのミュートのコントロール次第で用いることができます。

またアルペジオなどと併用する場合、爪の育成具合では音量差がかなり出てしまいます。
その場合はしっかり固定されてフィットするフィンガーピックを使うと対応しやすいです。
 

スラム奏法基本動作その3/「フレットボードを叩く」

スラム奏法基本動作「指板をたたく場所」

基本動作の3つ目は指板を叩くことです。
フィンガーストロークで振り抜いた指で指板を叩いていきます。
フィンガーストローク部分がメインの音色部分を担いますので、
その直後に入るこちらの動作では楽曲中におけるスネアドラムの役割を担っています。

叩く箇所としてはサウンドホールのすぐ隣、
ハイフレットのところを人差し指・中指・薬指でバシッと狙っていきます。
基本動作その1と共に楽曲にリズムをもたらしてくれます。

また見た目の印象的にも特に目につきやすく、印象に残りやすい動作になります。
コツとしては叩いたあとすぐに離さずピタッと止められるようにしておくとリズムをより正確に表現できます。

スラム奏法基本動作「指板のたたき方」
 

スラム奏法基本動作その4/「フレットボードから指を離す」

スラム奏法基本動作「フィンガーアップストローク」の軌道

基本動作の最後です。
その3で叩いて止めていた指をアップピッキングの要領で上側にずらしながらフレットボードから指を離します。
離すときに自然と出音もされる状態になります。
離した指が自然と指が握られるような力み方になっているとスムーズです。

指で弦から離しながら音を出します。
コツは「指を手のひらのなかに素早くかるく握りこむ」ことです。
こうすることで弦に指を引っ掛けながら離すことになり、自然と出音されます。
日常の動作だと、痒いけど爪でかくと強すぎるところを指のはらでかく動作に似てます。

自然と出音されるだけでなく、その後再度パームヒットに移りやすい手の形にもなります。
スラム奏法基本動作「フィンガーアップストローク」のやり方

アップピッキング的な動きになりますが、
フィンガーストロークのアップピッキング(反らせた親指)ではないのでご注意ください。
叩くのに使った指を手の内に握りこむ形で擦らせてアップピッキングしていきます。
 

スラム奏法の8ビートパターン

頻出のギターストロークパターン
ストロークの中でも最も頻出な8ビートパターンの、スラム奏法版の解説です。
参考音源はこちらです。

 

スラム奏法の8ビートパターン
  • 1拍目:パームヒットと同時にダウンストローク
  • 2拍目:鳴らしたコードをそのまま伸ばしつつパームヒットを入れ、その後にダウンストローク
  • 3拍目:2拍目で鳴らしたストロークを伸ばしつつ、親指でアップストローク
  • 4拍目:ダウンストロークを入れ、振り抜いた指で指板を叩く
  • 5拍目:パームヒットと同時にダウンストローク
  • 6拍目:鳴らしたコードをそのまま伸ばしつつパームヒットを入れ、その後にダウンストローク
  • 7拍目:6拍目で鳴らしたストロークを伸ばしつつ、親指でアップストローク
  • 8拍目:ダウンストロークを入れ、振り抜いた指で指板を叩く

 

一部フィンガーストロークのアップピッキング(反らせた親指)を使っていますが、
基本動作で見ていただいた動作でほぼ演奏ができ応用がとても利きますますので、
とてもおすすめです。
 

その他の応用の利くパターン

スラム奏法はアイデア次第で様々なパターンで楽しむことができます。
個人的に演奏していて応用の利きやすかったパターンをご紹介します。
参考音源はこちらです。

 

スラム奏法/その他の演奏パターンについて
  • 1.手の掌部分でボディを叩く(パームヒット)+フィンガーダウンストローク
  • 2.フィンガーアップストローク(親指を反らして)で弦をなで弾く(「タタタ」と3連符のイメージで)
  • 3.フィンガーダウンストロークで弦を弾く
  • 4.フィンガーストロークを終えた手の指でサウンドホール横のフレットボードを叩いてその場に止める

少し民族音楽や祭囃子的なリズムですが、案外色んなタイプの楽曲に応用が利きます。
お試しください。
 

まとめ

通常のアコギの演奏では出てこない動きになりますので、それなりに習得までに時間がかかってしまいます。
が、一度パターンを習得してしまうと色んな楽曲を迫力のある演奏に変えることができます。
弾き語りをこの奏法でやるととてもパワフルでカッコいい仕上がりになりますよ。
ぜひ習得していきましょう。

 

 

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