現代ロックやポップミュージックの定形名詞となったオルタナティブロック。
1980年代後半から90年代にかけて爆発的に広がったオルタナティブブームは、
ミュージシャンや自分で音楽を演奏することがより身近にラフになった契機にもなりました。
1960年代のフォークロックの再来的であったようにも感じますね。
日本では「オルタナ」の略称で親しまれています。
1990年代以降のロックはいずれのバンドも大ジャンルとして、
「オルタナティブロック」に当てはまっていることが一般的になりました。
(サブジャンルの多様さも非常に豊富になりましたね)
ノイジーなイメージがありますが、アコースティックな名曲も多く、
アコギとの相性も非常に良い有名なバンドや名曲がたくさんあるジャンルでもあります。
こちらの記事では「オルタナティブロック」について解説をしていきます。
アコギ演奏にも非常に映える90年代のオルタナティブロックの代表バンドと、
名曲のコード解説も行いますのでぜひお楽しみください。
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オルタナティブロックの由来・歴史
オルタナティブロックの音楽や文化・思想的背景は、
1970年代後半まで時代をさかのぼります。
音楽の時系列としては、
・パンクロック
・ポストパンク/ニューウェイブ
・ハードコアパンク
という変遷をたどっています。
「オルタナティブ」という言葉には、
「もうひとつの選択肢」や「代替手段」という意味があります。
大資本と流通網を持つメジャーレーベルから距離を保ち、
音楽的にも精神的にも独立自営を行うミュージシャンやその文脈にいたバンドたち全般が称されました。
初期こそ音楽的共通項が見受けられましたが、次第にジャンルが多様になり、
以降の現代ロック・ポップスを概括する用語として定着していきました。
オルタナティブロックとハードコアパンクの関係
特にアメリカのハードコアパンクは大手資本を排し、
自営で音楽をやる精神的風土を静かにつくり上げていました。
そのため初期こそノイジーな音像の音楽は多かったようですが、
徐々に精神がハードコアで音はアコースティックなバンドも現れたりと、
アコギとの親和性も高くなっていきました。
精神性については映像作品を見るとその一端を垣間見えます。
・フガジ/インストゥルメンタル
・アメリカンハードコア
・サラダデイズ
これらを視聴すると、
オルタナティブロック前夜の空気にふれることができます。
イアン・マッケイなど「ハード・コア」という字面からは想像できない、
崇高な精神性を伺い知れたりもするかと思います。
※アマゾンプライムで視聴可能です。
オルタナティブロックとレコードレーベルの関係
特にハードコアパンクバンドでは、
「ブラックフラッグ」やイアン・マッケイ率いた「マイナースレット(およびフガジ)」などが、
有名かつオルタナティブロックの発展に欠かせない存在として知られています。
「ブラックフラッグ」のリーダーであったグレッグギンは、
「SSTレコード」というインディレーベルを創設し、こちらのレコード会社から、
オルタナティブロックのスターや影響源となったバンドが世に出ていきました。
(SSTはSolid State Transmitterの略だそうで、
もとはアマチュア無線の機材を販売するために作った会社だったそうです)
「ダイナソーJr」や「ハスカー・ドゥ」が在籍していたことでも知られています。
「ハスカー・ドゥ」は後の「ピクシーズ」や「マイブラッディヴァレンタイン」、
メロコアの「グリーン・デイ」などへ影響を与えたバンドとしても知られています。
オルタナティブロックの勃興の時代は、
バンドはもちろんのこと「ニルヴァーナ」を送り出した「サブポップ」や、
イングランドの「クリエイションレコード」などなど、
インディペンデントのレーベルが大きく活躍をしはじめた時代とも言えるかもしれません。
下記より90年代を中心とした代表的なオルタナティブロックバンドと、
アコギ演奏にも映える名曲のコード解説を行います。
2021年4月号のギターマガジンは、オルタナティブロック特集が組まれており、
当時の音楽シーンをはじめ、インタビューや機材まで非常に情報が取りまとめられています。
ジャンルのファンの方はもちろん、これから聴き始める方にもとてもおすすめです。
ダイナソーJr/代表的オルタナティブロックバンドその1
オルタナティブロックの代表的バンドの1つ目は、ダイナソーJrです。
ギターボーカルJマスキスのニールヤングのような頼りなくも魅力的な声に、
暴力的な音圧のジャズマスターとビッグマフはオルタナの象徴の一つです。
なによりもとても切なくポップなメロディが非常に魅力的なバンドです。
彼らの出自はUSハードコアど真ん中から現れています。
またオルタナティブロックの中心的バンドであったソニック・ユースに後押しされ、
音楽シーンの第一線へ現れました。
フロントマンで中心人物のJマスキスは変わった方としても有名ですが、
ギタリストとしての矜持を持ったミュージシャンであり、
楽曲の中で「ギターソロ」を一番大切に考えているミュージシャンでもあります。
「※リチャードトンプソン」をはじめ、
ギタリストの造詣を深く持っていたりもします。
ローリング・ストーンズ好きとしても知られ、
ブラック・サバスのトニーアイオミへの造詣も深いです。
またニールヤングやクリーデンスクリアウォーターリバイバルもフェイバリットだそうです。
※リチャードトンプソンはイギリスのギタリスト/シンガーソングライターです。
トラッドとロックを融合した独自のジャンルを作り上げました。
ハイブリッドピッキングの凄腕ギタリストかつメロディーメーカーでもあり、
彼のフォロワーは非常に多いです。
幼少期に父親の影響でスコットランドのトラッドを聞き込んでいたそうで、
創作した楽曲にはフィドルが入っていたりとケルト音楽が背景に感じられる作風です。
アイリッシュケルトバンドの「コアーズ」が彼の楽曲をカバーしています。
また日本国内においては、同じハードコアパンクという影響元を共有する、
bloodthirsty butchersの吉村さんがソニックユースと並び影響を公言されておりました。
ダイナソーJrの代表曲その1/Little fury things
ダイナソーJrの代表曲としては『Little fury things』が非常に有名です。
初期の曲ですが、現在もライブレパートリーに頻出の楽曲です。
アコギ弾き語りでも頻繁に演奏されているので、
カバー演奏にも非常におすすめです。
イントロ
F Am ×4
サビ
C D Bm7 CM7 ×4
メロ
Em Bm7×3
CM7 Cadd9 CM7 Cadd9 CM7
ブリッジ
G CM7 G Cadd9 ×3
Emsus4×3
CM7
サビ
C D Bm7 CM7 ×4
ダイナソーJrの代表曲その2/Water
1991年に発売された『Green mind』に収録されている楽曲です。
アルバム1曲目の『the wagon』が非常に人気ですが、本曲ですと、
アコースティックギターでの演奏にもはえるミドルテンポの切ないメロデイがたのしめます。
メロ
Em CM7 Bm7 Aadd9 G G/F# ×4
G CM7 Bm7 Aadd9 ×2
G
ブリッジ
Em F#m G ×2
Bm
サビ
CM7 G Bm7 Aadd9 ×4
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ピクシーズ/代表的オルタナティブロックバンドその2
ピクシーズは1986年に結成されたバンドです。
1979設立の英インディーレーベル、「4ADレーベル」と契約しキャリアがスタートしました。
(ゴシック・ロックの祖バウハウスやポスト・パンクのコクトー・ツインズなどを擁したレーベルです)
1990年以降のオルタナティブロックおよびギターロックの草分け的存在として知られ、
アメリカ内外でフォロワーを数多く生み出しました。
ファーストアルバムよりインディ界の重鎮プロデューサーである、
スティーブアルビニが手掛けていたことでも知られています。
セールス的には「Dig for fire」が一番のヒット曲です。
ニルヴァーナのカートコバーン
レディオヘッドのトムヨーク
ウィーザーのリヴァース
デヴィッドボウイ
ナンバーガール・ZAZEN BOYSの向井秀徳
などなど、多数の有名ミュージシャンかが影響を公言されております。
巨漢のブラックフランシス(173cmだが横に非常に厚みがあります)が、
フェンダー・テレキャスターを構えて仁王立ちで絶叫する姿は圧巻です。
(サステインの短いテレキャスがリズムギターに適しているとのポリシーから使用しているそう)
また彼のキリスト教的世界観への問いの歌詞も、難解で知的な怪しい魅力を持っています。
ギタリストのジョーイサンティアゴはクラシックロックからカントリーのチェットアトキンス、
ジャズのジョーパスやモンゴメリーなど様々なバックボーンを持つテクニシャンでもあります。
ベースのキムディールは後に双子の姉妹でブリーダーズへ。
キムディール離脱後のベーシストは、
キムシャタックを経て現在はパズレンチャンティンに落ち着いています。
ピクシーズの代表曲その1/Where is my mind
一曲目は「Where is my mind」です。
原曲は1988年発売のファーストアルバム「サーファローザ」に収録されています。
ブラット・ピット主演で日本でも話題になった、
「ファイトクラブ」で使用されたことでも話題になりました。
E C#m G# A
サビ最終まわしのみ
E G# A Am C#m
B
E C#m G# A
「サーファーローザ」は他にも代表曲のギガンティックなど、
素敵な曲がたくさん収録されているので非常におすすめです。
ピクシーズの代表曲その2/Green and blues
再結成後の2014年にリリースされたインディシンディに収録されている楽曲です。
アコースティックギターに非常に合う曲調の素敵な楽曲です。
PVもなぜだか泣きそうになります。
C
G D C B C D G
G D C B C D G
G Em
Aメロ
G D C B C D G
G D C B C D C
サビ
G D C B C D G Em
ブリッジ
G Em G Em
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Nirvana/代表的オルタナティブロックバンドその3
この時代一番の成功を収めたバンドとしてニルヴァーナは欠かせません。
その規格外の大成功はある意味、
長年をかけて蓄積されキャリーオーバーしていたUSハードコアからの遺産を、
総取りしたような形にもなったと見ることもできます。
「グランジ」の括りで知られていますが、
もともとは80年代後期にアメリカ西海岸(シアトル)で流行したジャンルの一種であり、
USハードコアからオルタナティブロックの流れの中にあったことは間違いありません。
(グリーンリヴァー、マッドハニー、メルヴィンズ、サウンドガーデンetc)
御存知の通りHR/HM的リフとパンク・ハードコア的ビートの演奏および精神性が特徴。
ローカルヒーローからメジャーシーンへ数多くのバンドを排出したサブポップからファーストアルバムをリリースし、
そのキャリアをスタートさせました。
nirvanaにメジャーでのビジネスの手ほどきや会社を紹介してくれたのは、
USインディ界の重鎮ソニックユースのサーストンムーアでした。
(彼らは同時代のバンドとメジャー会社との橋渡しをよく行っていました)
日本でも浅井健一やKing Gnuの常田大貴が影響を公言しています。
2004年に公開されたドキュメンタリー映画「hype!」にて総括されており、
当時のグランジムーブメントの熱が非常に冷静に綴られております。
今こそ見るとより当時の状況がわかりますね。
※ちなみにグランジドキュメンタリー「hype!」はなかなか配信サービスでは見れないので、
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Nirvanaの代表曲/Smell's like teen spirit
一曲目は説明不要の名曲「Smell's like teen spirit」です。
バンドだけではなく90年代およびロックミュージック自体を代表する楽曲となりました。
Ⅰ→Ⅳ→Ⅲ→Ⅵのコード進行と言えばコレという曲でもあります。
カート・コバーンご本人は本曲をゴミだとよくコメントしていたようですが、
歌詞も5回推敲されていたり、回しの数もよりタイトに編曲がなされたりと、
実際はかなり手をかけてつくられていたことが伺えます。
ドキュメンタリー映画「Hype!」にて、
ティーンスピリットを初卸したライブ映像が収められていますが、
明らかに他のバンドと図抜けてオーラのある曲であったことが伺い知れます。
F5 B♭sus2 A♭5 D♭sus2
サビ最終まわしのみ
F5 E♭m F5 G♭5
Csus2 B♭sus2 A♭sus2 G5
ちなみに膨れ上がりきったものでは1億円ほどの予算がかかっていた当時のMV界において、
スメルズ・ライク・ティーン・スピリットのMVは約300万円で作られたそうです。
(監督と撮影中ホントにケンカしていたことであの仕上がりになったんだそうです)
セカンドアルバムネヴァーマインドのプロデューサーであるブッチヴィグも、
もともとシカゴ方面の80年代のシカゴのハードコアパンクシーンにいたそうです。
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ティーンエイジファンクラブ/代表的オルタナティブロックバンドその4
ティーンエイジファンクラブは、
スコットランド・グラスゴー出身のオルタナティブロックバンドです。
1989年に結成され、
メンバーチェンジや主要メンバーの脱退を経ながら現在もマイペースに活躍されております。
個人的に一番大好きなオルタナティブロックのバンドです。
オアシスなどのスーパースターを擁した名門インディーズレーベルである、
クリエイションレコードに所属していたことからブリットポップの文脈でも語られることも多いバンドです。
が、もともとティーンエイジファンクラブは海を越え、
アメリカンハードコアパンクやポストハードコアスタイルに影響を受け、
ファーストアルバムの「カソリックエデュケーション」を制作してキャリアをスタートしています。
そのような文脈から、
デビュー当時は英国のグランジバンドとも目されていたそうです。
ニール・ヤングやパワーポップの元祖的バンドである、
「ビッグスター」のアレックス・チルトン直系のポップセンス。
コーラスハーモニーを多用する楽曲構成、
3人のソングライター兼シンガーを要するスタイルなどなど、
素朴ながらも非常に特異なバンドでもあります。
日本では曽我部恵一やスピッツの草野マサムネなど影響を公言されております。
ティーンエイジファンクラブの代表曲その1『The concept』
『The concept』はメジャーデビューアルバム『バンドワゴネスク』の一曲目に収録された楽曲です。
とても爽やかで切なく、素朴なメロディを楽しむことができます。
オンコードが効果的に響きますね。
チューニングはレギュラーです。
G G/F# Em
Am D G Gon#F
サビ
Am D G G/F# Em
A7 C D
アウトロ
G Bm Em
Am G C
Am G C
このバンドワゴネスクは、SPIN誌より1991年のアルバムオブザイヤーに選出された作品でもあります。
(スピン誌はアメリカのローリングストーン誌と並ぶ大手の音楽雑誌です)
1991年と言えばニルヴァーナの『Nevermind(ネヴァーマインド)』をはじめ、
オルタナティブ・グランジの大ヒットアルバムが非常に多くリリースされた年でした。
マイブラッディヴァレンタインの『Loveless(ラブレス)』、
REMの『アウト・オブ・タイム』、
U2の『Achtung Baby(アクトン・ベイビー)』
ダイナソーJrの『Greenmind』などなど、有力候補が多くある中での快挙でした。
(この頃のティーンエイジファンクラブは、ニルヴァーナとネバーマインドツアーを回っています)
ティーンエイジファンクラブの代表曲その2『Every thing flows(エブリシングフロウズ)』のコード解説
アルバム2曲目(実質1曲目)の素敵すぎる曲です。
未だにこの曲が一番だというファンも非常に多いですね。
ライブのセットリストにも入っています。
チューニングはレギュラーチューニング
です。
C Em F C
Am Em Am Em
F C
C Em F C
Am Em Am Em
F C
サビ
C Dadd9 F Am Em
F Em F Fm C CM7
ティーンエイジファンクラブの全アルバム紹介
非常にコンスタントにアルバムをリリースしています。
素朴だけど心に響く名曲がたくさんあります。
カソリックエデュケーション | 1990年にリリースされた1stアルバムです。 |
---|---|
バンドワゴネスク | 1991年にリリースされたメジャーデビューアルバムです。この作品をきっかけに広く世に知られることになります。 |
サーティーン | 1993年リリースの3rdアルバムです。BigStarのアレックスチルトンの影響が色濃くあらわれています |
グランプリ | 1995年リリースの4thアルバムです。名曲ぞろいのため個人的にダサめのジャケットのせいで入手が遅れてしまったことを非常に後悔しました |
ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン | 1997年リリースの5thアルバムです。このアルバムがフェイヴァリットだという方は非常に多いです。何気に一番のセールスを記録しています(全英3位) |
ハウディ! | 1997年リリースの6thアルバムです。ピンク・フロイドのデヴィッドギルモアのスタジオでレコーディングされました。 |
英知と希望の詩 | 2002年リリースの7thアルバムです。ポストハードコアパンクバンド「ハーフジャパニーズ」のジャド・フェアーとの共同作品です |
マン・メイド | 2005年リリースの8thアルバムです。 |
シャドウズ | 2010年リリースの9thアルバムです。 |
ヒア | 2015年リリースの10thアルバムです。 |
エンドレスアーケイド | 2021年リリースの最新11thアルバムです。2019年には録音が終わっていたそうで、コロナの影響でリリースが遅れた分非常に時間をかけてミキシングに凝ることができたそうです |
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マイブラッディヴァレンタイン/代表的オルタナティブロックバンドその5
マイブラッディヴァレンタインは、
アイルランドのダブリンで結成されたオルタナティブロックバンドです。
母体となるバンドは1984年に結成され、1988年にクリエイションレコードに移籍します。
今日では甘美な轟音ノイズとメロディの一大ジャンルとなった、
シューゲイザーの創始者として語られるバンドです。
ライブは音圧と映像と光の演出で、
幻想的で酩酊感のある体験を経験できます。
日本ではフリッパーズ・ギターやスピッツ、
スーパーカー、SUGIZO、プラスティックツリーなどなど、
影響を公言されているバンドやミュージシャンが数多くいらっしゃいます。
中心人物のケヴィン・シールズの完璧主義的作り込みは非常に有名で、
セカンドアルバムかつ彼らを代表する作品となった『ラブレス』は、
2年間という制作期間をと、27万ポンド(約3,969万円)もの莫大な制作費を注ぎ込んで生み出されました。
所属レコード会社の副社長の持ち家を抵当に入れてキャッシュを工面したんだそうです。
ファーストアルバムであった『イズントエニシング』は約7千ポンド(約103万円)だそうですので、
その差が伝わってきますね。
(いずれにせよニルヴァーナのファーストアルバムの6万円の制作費に比較すると桁違いですね)
クリエイションレコーズは、
Primal ScreamやThe Jesus & Mary Chain、Oasisを擁した伝説的なレコード会社ですが、
一説にはマイブラのアルバム制作により倒産寸前まで追い込まれたのではとも言われております。
※クリエイションレコーズについても名作ドキュメンタリー「Upside down」という作品がありますが、
なかなか配信サービスでは見れないので、
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マイブラッディヴァレンタインの代表曲の解説とコード紹介/Sometimes
代表するアルバム、『ラブレス』の8曲目に収録されている楽曲です。
こんにちでもアコースティックギターの弾き語りなどでよくカバーされています。
ケヴィン・シールズ楽曲はソニック・ユースの影響も大きく受けていたこともあってか、
変則チューニングで書かれている曲が非常に多くあり、
こちらD系統のチューニングで制作されております。
Dadd9 DM7
メイン
Dadd9 DM7 Bm7 G5
F#5 Esus4 Dadd9 Esus4
Bm7 F#m Esus4
マイブラッディヴァレンタインの代表曲の解説とコード紹介その2/When You Sleep
代表するアルバム、『ラブレス』の5曲目に収録されている楽曲です。
幻想的で浮遊感に富んだ楽曲が楽しめます。
レギュラーチューニングで2カポで似た音が取れます。
Aadd9 Badd9 Dadd9 DM7 Dadd9
メイン
Aadd9 F#m7 Aadd9 Badd9
Aadd9 F#m7 Aadd9 Badd9
Aadd9
アウトロ
Aadd9 Badd9 Dadd9 DM7 Dadd9
マイブラッディヴァレンタインの全アルバム紹介
長らく活動休止となっておりましたが、
まさかの再開を果たしたことで歓喜したファンも多かったようです。
イズントエニシング | 1988年にリリースされた1stアルバムです。淡くサイケデリックな印象。 |
---|---|
ラブレス | 1991年にリリースされた彼らを代表するアルバムです。こんにちでは伝説的なシューゲイザーの大名盤としても知られています |
mbv | 2013年に22年の休止期間を経てリリースされた3rdアルバムです。 |
余談ですが2021年6月号のギターマガジンになんと本人直伝(!)のチューニングやサウンドプロダクションにつき、
3時間にもおよぶインタビューがなされています。ファンの方はまじで永久保存におすすめです。
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ジェリーフィッシュ
1989年に結成されたアメリカのパワーポップバンドです。
年代が同時期ということが手伝い、しばしばオルタナティブロックに包括されますが、
ハードコアパンクからの文脈が見受けられません。
装飾の一部としてわずかにノイズが用いられることはあっても、
音楽的立ち位置としては完全に独自の道を進んでおり、
ある意味「本来の意味でのオルタナティブロックバンド」とも称されたバンドでした。
(アルバムをたった2枚をリリースして解散しているのも、
ある意味一番パンクを感じます)
また編成形態としてもめずらしくドラムボーカルスタイルのバンドでもありました。
特に母国のアメリカよりイギリスでヒットした様子。
ビートルズの弟分と称されアップル・レコードにも所属していた、
中心人物のあまりに悲劇的な最期でも知られるウェールズ・イングランドの伝説的バンド、
「バッドフィンガー」からの影響が大きいと知られています。
またティーンエイジファンクラブと同じく、
「ビッグスター」からの影響も挙げられています。
ビートルズをはじめビーチボーイズやクイーンを彷彿とさせる、
一聴するだけでワクワクしてくる曲を生み出しました。
いわゆるビッグインジャパンということではありませんが、
日本のミュージシャンとの関わりが深いことでも知られています。
ドラムボーカルのアンディ・スターマーはPUFFYアルバムプロデュース、
奥田民生コラボ、YUKIの楽曲提供などで知られ、
キーボードコーラスのロジャー・ジョセフ・マニング・ジュニアも、
マイリトルラバーに楽曲提供を行うなどでも知られています。
ジェリーフィッシュの代表曲の解説とコード紹介その1/New mistake
代表するアルバム『Split milk(こぼれたミルクに泣かないで)』の、
4曲目に収録されている代表的な楽曲です。
キラキラしたポップさと切ないメロディと分厚くリッチなハーモニーを楽しむことができます。
2カポでオリジナルキーになります。
A AM7 A7 AM7
メロ
A AM7 A7 AM7
Dsus2/F# E Dsus2/F# E F# G#
A AM7 A7 AM7
Dsus2/F# E Dsus2/F# E Fdim
サビ
F#m7 E B Bsus4 B
C# C#7 G# G F#
F#m7 F#m7/F A/E B7
Dsus2/F# E Dsus2/F# E F# G#
C#7
Cメロ
C CM7 C7 CM7
F G D G
アウトロ
A AM7 A7 D Dm7
A A7 F#m B7
D F#m E
D Esus4 E
ジェリーフィッシュの代表曲の解説とコード紹介その2/Bye Bye Bye
代表するアルバム『Split milk(こぼれたミルクに泣かないで)』の、
7曲目に収録されている楽曲です。
世界名作劇場がはじまるような切なげなマイナー調からはじまり、
大サビでつきぬけるハーモニーを楽しむことができます。
Bm G D Bm F#7 Bm F#7
Bm G D Bm F#7 Bm C#sus4 C#
ブリッジ
E♭m A♭7 D♭m F#7
サビ
B A F#m E
G A B
ジェリーフィッシュの全アルバム紹介
ベリーバトゥン | 1990年にリリースされた1stアルバムです。Splitmilkの胎動が感じられます。 |
---|---|
こぼれたミルクに泣かないで | 1993年にリリースされた彼らを代表するアルバムです。一家に一枚、音楽好きな方へはぜひおすすめしたいアルバムです |
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オルタナティブロック頻出ギター/フェンダージャズマスターについて
オルタナティブロックのミュージシャンの多くに使用されているエレキギターとして、
フェンダー・ジャズマスターがあります。
フェンダーの看板機種であるストラトキャスターやテレキャスターなどと比較すると、
他のギターにはない不明瞭なところがそこかしこにあり、
一見すると弱点ともとれる点こそが不思議な魅力につながってもいるおもしろい機種です。
サーフミュージックへ発見された後は、
ジミヘンドリックスの出現によりフェンダーと言えばストラトキャスター台頭したため、
一時歴史の隅へ隠れておりました。
その後80年代以降のポスト・パンク時代に入ると、
若いミュージシャンが増え使用者が増えることになります。
ストラトやレスポールといった名機は非常に値段が高く、
高騰を免れていたジャズマスターやジャガーに人気が集まったためでした。
また経済的な理由から自前のアンプやラックシステムで音作りにできない若年層のミュージシャンに、
フットペダルのエフェクターは重宝され、こちらとの親和性も高かったことも拍車がかかったようです。
フェンダー・ジャズマスターの歴史、音の特徴
もともとはレスポールのジャズギター市場に対抗するために開発されたソリッドギターでした。
が、ジョー・パスなど一部使用するジャズギタリストはいらっしゃいましたが、
ほとんど狙いの層に売れなかったそうです。
レスポールと比較するとかなり薄いボディが薄く、
ボリュームポットおよびトーンポットも1000kオームとかなり抵抗値が大きく、
高音域が目立つ音色だったことも一因でした。
(抵抗値が大きいほど高域が目立ちます)
この数値は同じくフェンダーのテレキャスターと同じだったそうです。
ちなみにプリセットスイッチは50kオームで、
ストラトの250kオームと比較して1/5の抵抗値のため高音が目立たないように調性されています。
またレスポールに搭載されていた太めのシングルピックアップである、
「P90」を模したシングルコイルピックアップが搭載されておりましたが、
本家の「P90」とも違う音色でした。
ちなみにフェンダージャパンなどはオリジナルのものと比較したときに、
ピックアップが著しく違うためより高音域が目立ちやすいそうです。
(オリジナルのピックアップは元がジャズ市場を指向していたこともありふくよかなトーンだったそうです)
加えてストラトのようなスプリングロックを用いたアームではなく、
フローティングした緩やかなトレモロも非常に重宝されたようです。
(この構造がマイブラのケヴィン・シールズのグライドギタースタイルを支えてもいますね)
いずれにせよこの高域の特色から後に、
開発時全く狙っていなかったサーフミュージックで一定の人気を獲得に至ります。
そしてさらに未来では荒い低音が目立つファズなどのペダルの音色と非常にマッチすることで、
新しいミュージシャンたちに愛用されることとなります。
フェンダー・ジャズマスターは独自のカスタムが前提?
フェンダー・ジャズマスターの不思議な魅力のひとつとして、
ほぼ大半のユーザーが何かしらの手を加えて使用しているという点です。
弦落ちや共振対策にバズストップバーをつけたり、
ムスタング用のブリッジサドルと交換したり、
サドルネジを交換したりとほとんどオリジナルで使う方は非常に少ない不思議な機種でもあります。
このあたりも90年代のDIY精神があらわれているのかもしれませんね。
おわりに
90年代を代表する音楽ジャンルのオルタナティブロックは、
こんにちの音楽のあり方に影響を与えかつ確実な地続きになっています。
クラシックロックと現代の音楽とを結びつける様々な魅力的なバンドと名曲があり、
アコギでもカバーすると装飾部分を取り除いたその曲の魅力の核心部分に触れることができるように思います。