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2大アコギ海外メーカーの解説
アコースティックギターには2大ブランドとして、
Martin(マーティン)とGibson(ギブソン)があります。
両ブランドとも歴史が深く、非常に高価格ではありますが、
プロ・アマ問わず非常に多くのギタリストから愛されています。
Martin(マーチン)の歴史とギターの特徴
マーチン社はアメリカはペンシルベニア州ナザレス(ニューヨークのお近くです)に拠点を置く、
創業190年に迫る名実ともに世界一のアコギメーカーです。
もともとドイツ人のギター職人であった、
クリスチャン・フレデリック・マーティン氏がアメリカへ渡り立ち上げたブランドです。
ドレッドノートスタイルのアコギの元祖の会社としても知られています。
マーチンはカントリーなどフィンガー・ピッキングによりフィットする音色していますが、
作りが非常に丁寧なことでも有名でどんなジャンルで使用にも対応します。
ポール・マッカートニーやニール・ヤング、
エリック・クラプトン、ジミーペイジ、カートコバーンなど、
数多くの有名ミュージシャンの使用でも知られています。
1970年代以降エレキギター人気に押され1980年代に入ると売上が著しく低迷し、
生産停止まで追い込まれたこともありましたが、
1990年代のMTVアンプラグドで人気が復活し現在に至ります。
機種を大きく分けると、DシリーズとOシリーズがあります。
Dの後ろの数字が大きくなるほど高級機種となります。
特に「D28」と「D18」はメーカーを代表する機種として広く知られています。
一般的にサイドとバック材にローズウッドを使用しているD28の方が、
音のレンジが広くきらびやかだと評されております。
D18はサイドとバック材にマホガニーが使用されています。
OシリーズはDよりもボディが小さくつくられております。
ソロギターなどフィンガーピッカーにも多く使用されています。
OOO(トリプルオー)、OO(ダブルオー)、O(オー)と
Oの個数が減るに連れてさらにサイズが小さくなります。
またミニアコという非常に小型のアコースティックギターも展開しており、
「LX」シリーズ(リトルマーチン)という手を出しやすい価格帯の機種があります。
Martin(マーチン)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
D-45 | ニール・ヤング |
D-35 | トム・ヨーク(レディオヘッド) |
D-28 | ポール・マッカートニー(ビートルズ) ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン) ニール・ヤング ジョニ・ミッチェル ジョン・フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ/D28-12弦も使用) Jマスキス(ダイナソーJr/D28-Sを使用) 桜井和寿(Mr.Children) 草野マサムネ(スピッツ) 吉井和哉(ザ・イエロー・モンキー) |
D-18 | ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル) ジョージ・ハリスン(ビートルズ) カート・コバーン(ニルヴァーナ/D18-E使用) |
OOOC-42 | 中川イサト(ご本人のシグネチャーモデル) |
OOO-28 | キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ) エリック・クラプトン(ご本人のシグネチャーモデル) あいみょん |
OO-18DBCY | 吉川忠英(ご本人の邦人初のシグネチャーモデル) |
O-15 | ジョン・フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ) |
OM-28 | ジョン・メイヤー(OO-45SCも使用) |
LX1E(リトルマーチン) | エド・シーラン |
※随時更新していきます。
Gibson(ギブソン)の歴史とギターの特徴
アメリカはテネシー州ナッシュビル(カントリーミュージックの中心地として有名)に本拠地を構えています。
世界的に有名なギターメーカーで、100年以上の歴史があり、マーチンと双璧をなします。
レスポールのエレキギターで有名ですが、
アコギも「J-45」や「ハミングバード」という機種が有名です。
エルビス・プレスリーやジョン・レノン、
ボブ・ディランなどレジェンドたちが使用してきたことでも有名です。
Jシリーズは、マーティンのDシリーズに対抗するために開発されました。
Jはジャンボに由来します。
数字が大きくなるほど大型化・高級機種となり、J200は最上位機種です。
Jシリーズのボディの形状はラウンドショルダーになっており、
ハミングバードはよりボディの空洞が大きいスクエアショルダーとなっております。
音の特徴としては非常に迫力があります。コードを弾くだけでも非常に力強いです。
弾き語りなどコードストロークに特に似合うイメージです。
非常に月並みですがロックな印象です。
勇気を出して試奏するとわかりますが、ブリッジミュートをし続けるだけでも異常に気分が良くなれます。
Gibson(ギブソン)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
J-200 | エルヴィス・プレスリー ピート・タウンゼント(ザ・フー) ノエル・ギャラガー(元オアシス) 浅井健一(元ブランキー・ジェット・シティ) |
J-150 | ノエル・ギャラガー(元オアシス) |
J-50 | ボブ・ディラン ジェイムス・テイラー 細野晴臣 |
J-45 | バディ・ホリー ドノヴァン ジョン・レノン(ビートルズ/J-160Eも使用) ポール・マッカートニー(ビートルズ/J-160Eも使用) 吉田拓郎 細野晴臣 井上陽水 長渕剛 矢沢永吉 桑田佳祐 Jマスキス(ダイナソーJr) 奥田民生 山崎まさよし 堀込高樹(キリンジ) 星野源 秦基博 野田洋次郎(RADWIMPS) あいみょん |
ハミングバード | キース・リチャーズ ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン) 河島英五 Jマスキス(ダイナソーJr) 大槻ケンヂ(筋肉少女帯) 吉井和哉(ザ・イエロー・モンキー) チバユウスケ(ミッシェルガンエレファント、ROSSO、THE BIRTHDAY) シェリル・クロウ トム・ヨーク(レディオヘッド) コリーヌ・ベイリー・レイ |
ダヴ | エルヴィス・プレスリー キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ) 桑田佳祐 Jマスキス(ダイナソーJr) |
ヘリテージ | デュアン・オールマン |
CF-100E | ボブ・ディラン マーク・ボラン(Tレックス) 奥田民生 |
アコギ海外メーカーの解説
Guild(ギルド)
ギルドはアメリカのギターメーカーです。
1960~70年代にはマーチンやギブソンと並ぶ3大ブランドの一つと評されており、
硬質な音色に定評があります。
1964年に開催された伝説音楽イベント、
すべての野外フェスティバルの元祖であるウッドストックにて、
リッチー・ヘブンスが「D40」を使用したことで世界的にギルドが有名になりました。
「D-40」と「D-50」が有名機種です。
各機種の数字の前のアルファベットは4種類あり、
M→OM→D→Fの順にボディが大きくなります。
Guild(ギルド)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
M-20 | ニック・ドレイク |
D-40 | リッチー・ヘブンス |
D-50 | 南こうせつ 峯田和伸(銀杏BOYZ) |
D-55 | 森恵 |
F-30NT | ポール・サイモン |
F-50 | ジョン・デンバー(カントリーロードのポップスター) 南こうせつ |
F-512 | ノエル・ギャラガー(元オアシス) |
JF-65 | スティーヴィー・レイボーン(MTVアンプラグドにて12弦使用) |
Custum10 | キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ/10弦モデル) |
不明 | トム・ウェイツ(複数種類使用) |
Taylor(テイラー)
アメリカのカリフォルニア州で創業したメーカーです。
他のメーカーと比較すると新興メーカーに位置しますが、
1990年代後半より非常に人気が高まり、今に至っております。
とにかく非常に演奏しやすく、手にした時のネックの薄さが顕著です。
一般的に他のメーカーよりも個体差が少ないことでも知られています。
そしてなにより、なんかすごく見た目がカッコいいのです!
基本的にデザインはサイドとバックエレアコの形状、カッタウェイのものが多いです。
代表機種として「314ce vclass」などがあります。
プロやアマチュア問わず愛用者が最も多い人気機種です。
Taylor(テイラー)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
K24ce | テイラースゥイフト(他15種類ほど使用) |
855 | ニール・ヤング |
814CE ES | 福山雅治 |
815C | 浅井健一(元ブランキー・ジェット・シティ) |
HodRod(614に近い) | 布袋寅泰(シグネチャーモデル) |
612CE | プリンス(414ceやT5も使用) |
314CE | ジョン・フルシアンテ ジェイソン・ムラーズ |
Maton(メイトン)
オーストラリアのギターブランドです。
現代アコースティックギタリストのトップである、
トミー・エマニュエルの愛機のメーカーとして非常に有名です。
産地のオーストラリア木材を使用したアコースティックギターは、
フィンガーピッキングにもストロークにも合うと評価が非常に高いメーカーです。
特に装着されているピックアップシステムへの言及も多く、
非常に高く評価されています。
Maton(メイトン)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
EBG808 T.E Personal | トミー・エマニュエル(他Maton TE1、Maton EBG808TE、Maton EBG808TECを使用) |
EM100C Messiah | ジョン・フルシアンテ |
CS Classic | エリック・ジョンソン |
代表的なアコギ国内メーカー
YAMAHA(ヤマハ)
静岡県に本社をおく、国内の代表する、世界的な総合楽器メーカーです。
1966年に初の国産アコギとして開発・発表したFGシリーズは、
現在まで色んな改良を加えられつつ定番アコギとして普及しています。
また技術力が高いことでも知られており、
海外高級機種と引けを取らないモデルを低価格で実現したり、
サイレントギターなど実用性の優れた機種もたくさんあります。
周辺機器も含めだすと意味がわからないほど豊富な商品があります。
公式サイトのギター関連ページを見てるだけでもめっちゃ面白いです。
最新モデルとしては、「FG(FS)red label」シリーズが新しいフラッグシップモデルとして登場しています。
代表モデルで上位機種の「L(Luxury)」シリーズがプロアマ問わず人気です。
エントリーモデルの「FG(FS)」シリーズなども、入門用でも非常に作りがしっかりしていることで定評があります。
YAMAHA(ヤマハ)ギター使用ミュージシャン
南こうせつ
吉川忠英
渡辺香津美
大橋卓弥(スキマスイッチ)
ドンアルダー(全米フィンガーピッキングチャンピオン)
三浦 拓也(DEPAPEPE)
ブレイズプラント、メイナードプラント(モンキーマジック)
桜井和寿
大石昌良
矢井田瞳
藤巻亮太(レミオロメン)
高橋優
渋谷龍太(SUPER BEAVER)
有田純弘
石川鷹彦
石崎ひゅーい
植村花菜
大森靖子
小倉博和
Morris(モーリス)
モーリスというブランドで有名ですが、社名はモリダイラ楽器という会社です。
長野県松本市に本社をかまえています。
1972年よりモーリスブランドを確立しました。
フィンガースタイル・ソロギタリストにも人気で、
毎年4月には国内外のギタリストが集う、
「フィンガー・ピッキング・デイ」という大型イベントなども定期的に運営されております。
オベーションというエレアコの代理店としても有名です。
「ルシアーメイドプレミアム」シリーズというオーダーメイドが可能な最上位機種ももちろんありますが、
「パフォーマーエディション」というエントリーモデルでも、
非常に作りがしっかりしていることで定評があります。
ドレッドノートタイプの「M」シリーズ、
フィンガースタイルギタリスト向けの「S」シリーズ、
エレアコの「R」シリーズなどが有名です。
またモリダイラ楽器は自社ギターのみならず、
岡村靖幸や崎山蒼志の使用で広く知られる「Ovation(オベーション)」ギターの、
国内正規代理店業務も担っています。
Morris(モーリス)ギター使用ミュージシャン
岸部 眞明
南澤 大介
三浦 拓也(DEPAPEPE)
打田 十紀夫
谷村 新司
堀内 孝雄
岡崎倫典
Ken yokoyama(Hi standard)
Toshi-low(Brahman)
荒井 岳史、川崎 恒一(the band apart)
大木 伸夫(Acidman)
常田大希(King gnu、millennium parade)
KO-SHIN、KENTA(WANIMA)
K.Yairi(K.ヤイリ)/A.Yaria(アルバレツ・ヤイリ)
国内ではK.ヤイリ、海外ではA.ヤイリとして普及しております。
2005年厚生労働省「現代の名工」選出され、
06年に黄綬褒章を受章した矢入一男が率いた独立メーカーです。
岐阜県可児市に構えています。
ポール・マッカートニーがサウンドホールの無いエレアコ、
「YD-88」を使用したことで一気に人気が広がりました。
どちらかというとプロミュージシャンに人気があり、よく知られているメーカーです。
現在も30名前後の少数で、こだわりのハンドメイドでギターを制作しています。
樹齢200年のスプルース材使用し、大音量のクラシックを浴びせて仕上げているそうです。
代表シリーズにYW-1000(マーチンのD45を精巧にコピー)、
後のLOエンジェルシリーズとなるLEO、
現行のエンジェルシリーズ(RF、LO、BL、BM=ショートスケール)が有名です。
購入しやすいKシリーズもあります。
スタンダードシリーズという、
マーチンを模したオール単板で制作された贅沢な仕様のものもあります。
機種名に表記された数字は、使用されている木材を示しています。
ちなみに購入者としてはうれしい安心のサービスとして、
購入したギターに対してのリペアの永久保証制度があります。
またアコースティックギターがメインではありますが、
「Boy」という機種名でアイリッシュブズーキも制作し販売されています。
アイルランドブズーキのトップ奏者であるドーナル・ラニーも愛用とのことです。
K.Yairi(K.ヤイリ)/A.Yaria(アルバレツ・ヤイリ)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
YD─88 | ポール・マッカートニー(ビートルズ) トム・ヨーク(レディオヘッド) |
YD87 | 福山雅治 松本孝弘 |
RF90 | 長渕剛(RF80も) 吉井和哉(ザ・イエロー・モンキー) 向井秀徳(ナンバーガール、ZAZEN BOYS) |
BL | 桑田佳祐 宮本浩次(エレファントカシマシ) |
JY | 浅井健一(元ブランキー・ジェット・シティ) 大槻ケンヂ(筋肉少女帯) |
WY-1 | リッチー・ブラックモア(ディープ・パープル、レインボー、ブラックモアズ・ナイト) TAKURO(GLAY) 橋本絵莉子(チャットモンチー) ハナレグミ(永積タカシ) |
SY-45EC | エリック・クラプトン |
CY127CE | カルロス・サンタナ |
AY-65 | 桜井和寿(Mr. Children) |
YF-00018 | 比嘉栄昇(BEGIN/一期一会も使用) |
DY-62c | NMB48山本彩 |
Takamine(タカミネ)
岐阜県中津川に本社を置く国内代表メーカーです。
国産ではじめて完成度の高いエレアコを出したことで有名です。
独自のサドルデザインを持っているためオクターブチューニングに強みがあったり、
ネックの形状のデザインが、
「アコギはコード演奏が多い」ことを考慮したつくりになっていたりと、とてもこだわられています。
またピックアップや搭載されているプリアンプも独自の技術を持っていたり、とても魅力的なメーカーです。
オーダーメイドできることでも有名な印象です。
Takamine(タカミネ)ギター使用ミュージシャン
機種名 | 使用ミュージシャン |
---|---|
PT-07E | ライ・クーダー |
FP360S | グレン・フライ(イーグルス) |
EF341SC | ブルース・スプリングスティーン ジョン・ボン・ジョヴィ |
TN-520BS | 長渕剛(シグネチャーモデル) |
FP-460SC | ノエル・ギャラガー(元オアシス) |
EN-20C | ケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン) |
不明 | ブルーノ・マーズ サラワット(2gether the seriesより) |
ルシアーギターメーカーについて
アコースティックギターの中には大きな生産設備を用いない、
個人の名匠やごく少人数の手により制作される最高級品があります。
「ルシアーギター」と呼ばれています。
いくつかご紹介致します。
Greven(グレーベン)
グレーベンギターは、
アメリカオレゴン州のポートランドに工房を構えるジョン・グレーベン氏の制作するギターです。
日本では押尾コータロー氏のメインギターとして知られています。
Somogyi(ソモギ)
ソモギギターは、アメリカの個人ルシアーの最高位と評される、
アーヴィンソモギ氏の制作するギターです。
その価格も最高級で、一本数百万円にものぼるそうです。
日本人にもお弟子さんがいらっしゃり、
Ogino guitarsを制作されていらっしゃいます。
Lowden(ローデン)
ローデンギターは、北アイルランドの個人ルシアー、
ジョージローデン氏の率いる少数精鋭のギターメーカーです。
近年はエド・シーランのギターブランド設立でも話題になりました。
ケルト音楽によく使われる低音チューニングにも合うクリアな出音が魅力です。
アメリカのメーカー(マーチン、ギブソン)のキャラクターに連ならない、
独自の工法で制作されており、木材も自然倒木を使用するというこだわりがあります。
リチャード・トンプソンの使用でも知られており、ケルティック繋がり味を感じますね。
おわりに
有名ブランドということは大抵の楽器店に在庫しているということですので、
気になるものがあればぜひ勇気を出して試奏させてもらってみましょう。
勇気がでなければYou Tubeでメーカーと機種名を検索して耳を鍛えましょう。
想像している以上に手にする楽器から教わることは非常に多いです。
反面、アコギを持ち替えてこなかった身としては非常に反省しているところでもあります。
今必要なメーカーやいつか手を出したいメーカーなど、
上達に合わせて少しずつ良いアコギを手にしていっていただきたいと思います。
わたしも近いうちに新アコギの購入したいと思います!