ニルヴァーナ・カートコバーンのアコギと名曲コード解説
ウィズザライツアウトボックスセットのブックレットより引用

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ニルヴァーナ・カートコバーンの概要

90年代前半の伝説的なスリーピースロックバンド、ニルヴァーナ。
フロントマンでギターボーカルだったカートコバーンは、
オルタナ・グランジのアイコンとしていまだに大きな影響を与えています。

2020年にアンプラグドライブで使用したギターが、
600万ドル(約6億4,000万円)で落札されたことも記憶に新しいですね。

今となっては「フーファイターズのデイブグロールがドラマーとして在籍したバンド」、
としての方が知られているかもしれませんね。

数年の間隔で雑誌などでグランジ系ファッションが特集されているのも見られますね。
(グランジについては「Hype!(ハイプ!)」という、
ドキュメンタリー映画が当時のシーンの理解が非常に深まるのでおすすめです)

hype!グランジドキュメンタリーDVD
グランジを通してマーケティングや流行が如何に造られるかにも迫ります

文学的・情緒的にあらゆる方向で語り尽くされており、
このたくさんの語り口のおかげでリアルタイムではない自分にも入り口を提示してもらえました。
以来20年近く聴き込んでいます。

ニルヴァーナBOXセットや再販アルバム
ニルヴァーナの代表的な伝記

伝記書籍も数多く発売されており、
音源とともに読み込むことで当時の時代背景も含めて網羅的にうかがい知ることができます。
未発表曲音源や映画なども折に触れて発表されています。

好きな人にとっては十人十色のカートコバーン象があろうかと思います。
本記事ではアンプラグドライブを中心に、
彼らの歪んでない演奏・アコースティックギター演奏を中心に解説を行います。

※ちなみにグランジドキュメンタリー「hype!」はなかなか配信サービスでは見れないので、
ゲオ宅配レンタルがおすすめです。↓

ニルヴァーナ・カートコバーンのアコースティックギター機材解説

カートコバーンのネヴァーマインドツアーのインタビュー(ギターマガジン)

カートコバーンといえば、公演終盤のフェンジャパ製ストラト破壊の儀式を筆頭に、
ラフでラウドでノイジーなイメージがありますが、
音色と機材のこだわりと好みのはっきりしたミュージシャンでした。

特に中音域に強いこだわりを持っていたようです。

案外アンプラグドライブ前からラジオ出演やアンコール演奏の際など、
アコースティック演奏が行われていました。

なによりカートコバーンは作曲にはアコースティックギターを使用していたようで、
複数のデモ音源がアコギ演奏で骨組みが残されています。

楽曲の肉付け自体はバンドでジャムセッションを行う中でなされていったようです。
もともと親族がアイルランド系のテナー歌手でフォーク(トラッドの意味)演奏も行っていたそうなので、
アコースティック楽器とは縁が深かったようです。

カートコバーンのアコギその1/ Stella Harmony(ハーモニー社製ステラ)

「ステラ(Stella)」はカートコバーンがインディ時代より使用していたアコースティックギターです。
12弦モデルに5本だけナイロン弦を張って演奏していたそうです。
こちらでPollyを録音したと言われています。

本機はもともとギブソンやマーチンが広く流通する前に市場に広く出回っていたアコースティックパーラーギター(ミニアコ)の有名モデルでした。
大元のメーカーはオスカーシュミット(Oscar Schmidt)社で、
当時は「安価だが作りが良い」ことで評判だったそうです。

特に戦前のカントリーブルースマンに愛用者が多く、レッドベリー(Lead Belly)
カートの敬愛したもオーディトリウム(Auditorium)と呼ばれる通常のステラより少し大きく(大きいとは言えパーラーギターの中の大きい部類だったそうです)、
ロングスケールの12弦モデルのステラを使用しておりました。

1939年にオスカーシュミット社からハーモニー(Harmony)社へ売却された経緯から、
「ステラハーモニー」と呼ばれています。
ハーモニー社以降のステラと言えば女優のオードリーヘップバーンが、
『ティファニーで朝食を』の劇中で演奏したモデルとしても有名です。

カートコバーンのステラはハーモニー社のもではありましたが、
12弦モデルだったりとユニークな選択でした。
このアコギを入手した時期は、レッドベリーにはまってカバーもよく演奏していたそうですので、
レッドベリーの影響と安価だったことで選ばれたのではないかと考えられます。
(ハーモニー社と言えばジミーペイジの12弦アコギ「ソブリン」も有名ですね)

カートのアコギその2/ Epiphone Texan(エピフォン・テキサン)

3rdアルバム「In Utero」レコーディング後に入手したとされているアコギです。
インユーテロツアーでのメインアコースティックギターで、
白地に赤字と青字の「Nixon Now」のフォントの入った、
大きなステッカーがシュールなトレードマークでした。

1993年の入手後はライブでもよく使用していたようで、
MTVアンプラグドでもスタンドに立ててあるのが確認できます。

もともとはビートルズのポールマッカートニーの使用ギターとして非常に有名なモデルでした。
特にYesterday作曲の際のギターとしても知られており、
ポールマッカートニーは現在でもライブで使用しています。

ポールマッカートニーのテキサンは1964年製ですが、
カートコバーンのテキサンは1961年製もしくは、
1957年にギブソン社に買収される前のエピフォン製ではないかとの説もあります。

音自体の評価は本人もサウンドエンジニアもマーチンD-18Eより気に入っていたようです。
現在も後継機種としてエピフォンAJシリーズをはじめ、複数機種が流通しております。

カートのアコギその3/MartinD-18E(マーチンD-18E)

カートコバーンとマーチンD-18E

「MTVアンプラグドインニューヨーク」ライブで使用されたアコギです。
2020年のジュリアンズオークションにて、
600万ドル(約6億4,000万円)で落札されたことで再注目されました。

もともとビザール系のアコギとして知られ、
世界で302本しかないうちの1本です。

デュアルモンド社のピックアップが2台取り付けられていますが、
あくまでエレキのニッケル弦の音を拾う目的のピックアップであり、
構造的にはフルアコと同じ状態でした。

そのためサウンドホールの真上に、
バルトリーニのピックアップが取り付けられています。
(本来はベースのピックアップのイメージの方が強いかもしれません)

カートコバーンのアコギ演奏というと、本機を演奏中の画像が一番多いですね。

モノクロのポスターでよく見るやつ/タカミネ

カートコバーンとタカミネのエレアコ1
カートコバーンとタカミネのエレアコ2

スタジオワークでのアーティスト写真たポスターでよく見るカットで、
抱えているカッタウェイのあるアコギはタカミネ製だそうです。

1992年11月のオランダのラジオ出演の際に撮影されました。

エフェクターペダル類

アンプラグドライブでのエフェクターペダル類は、
エレクトロハーモニクス社のコーラスペダル「Small clone(スモールクローン)」および、
BOSS社の「DS-2」を使用していました。

「Small clone(スモールクローン)」は、
『Come as you are(カムアズユーアー)』で使用。
「DS-2」は「The man who sold the world(世界を売った男)」のイントロおよび、
アウトロのソロでのブースター使用です。

カートに限らず90年代当時のインディー出身のミュージシャンに当てはまりますが、
ギターアンプヘッドやラックエフェクターではお金がかかり過ぎてしまうため、
コンパクトなペダルが好まれたという側面があったようです。

ニルヴァーナアコースティックギター楽曲解説/MTVアンプラグド中心

ニルヴァーナアンプラグドライブ(ボックスセットのブックレットより)

ここからは彼らの演奏の中でもアコースティックなものに絞って、
コードとともに簡単な解説を行いたいと思います。

より詳細な解説や歌詞世界の考察については、
他にめちゃくちゃすばらしいサイト様がありますのでごく簡単に。

アンプラグドライブでは一部を除きほぼすべての楽曲が、
半音下げチューニングで演奏が行われています。
(All Apologiesのみ半音下げ+6弦のみ1音下げ)

弾き語りカバーなどにお役立てください。

ちなみに「MTVアンプラグド」は1989年から1999年までに、
アメリカのケーブル局MTVで放送されていた連続企画番組です。

その時々の話題のアーティストや大物ミュージシャンが、
アコースティックライブを行うという趣旨のもの。
現在も不定期に企画されていて、
普段の演奏スタイルとは違うアレンジで楽しめるため一ジャンルとして愛されています。
 

About a girl(Bleach収録)曲とコード解説

About a girl は1988年に制作されました。
89年にサブ・ポップからリリースした1stアルバム『Bleach』の3曲目に収録されています。

元恋人のトレイシーマランダについての内容だと知られています。
(ちなみにトレイシーマランダ氏は99年の追悼式にも参列するほど関係性が深かったそうです)

ビートルズを延々聞いて作ったと述懐している通り、
Bleach内では非常に(異様に?)ポップな曲です。

イントロ・Aメロ
Em G Em G

サビ前半2小節(同主調転調)
D# G# F#

サビ後半2小節
Em×2 A C

アウトロ
Em G
Em

ベースラインはEmキーですので平行調のGメジャースケールがそのまま使えます。
サビ転調2小節終わりのコードはEのあとGかと長年思っていましたがベースの1オクターブ上のEでした。
間奏のギターソロは開放弦を用いたEマイナーペンタです。

Come as you are(Nevermind収録)曲とコード解説

カムアズユーアーサイン(グーグルマップ)

Come as you are は大ヒットアルバム「Never mind」から、
シングルカットされたメジャー2枚目のシングル曲です。

当初はメジャーデビュー後の一番の目玉シングルとして考えられていたそうです。

カートコバーンとクリスノヴォゼリックの地元である、
ワシントン州アバディーンの町境に掲げられており、
「Come as you are sign」としてグーグルマップ上でも確認できます。

マイケルアゼラット氏による公式のバイオグラフィー本のタイトル名にも使われています。

オリジナルのスタジオアルバムのチューニングは1音下げ(開放6弦がD)です。
下記のコード進行だとリフを弾きながら演奏が行いやすいです。

イントロ・Aメロ
F#m7 E

ブリッジ
F#m7 A

サビ
B C

アウトロ
F#m7 E

こちらですが、歌いながらリフを弾こうとすると結構練習が必要になります。
海外でのカバーではボサノヴァ風の曲調も多かったりしますね。

Jesus Doesn't Want Me for a Sunbeam(Vaselinesカバー)曲とコード解説

スコットランドのグラスゴーのインディーデュオ、
「Vaselines(ヴァセリンズ)」のカバーです。

サブ・ポップのヴァセリンズのアルバム「ザウェイオブヴァセリンズ」
サブ・ポップからリリースされたコンピレーションベスト

原曲はJesus Don't Want Me for a Sunbeamとなっています。
通常のライブでもレパートリーによく入っていた楽曲です。

アンプラグドライブでは、
クリスノヴォゼリックがアコーディオンを演奏をし(かわいい)、
デイブグロールがアコースティックベースを演奏(かわいい)しています。

イントロ・メロ
E D A

サビ
E D
A

静かながら宗教に対する痛烈なNoを突き付ける曲です。
日本でも新興宗教の2世・3世問題に悩んでいる方に刺さる歌詞世界のように思います。

ティーンエイジファンクラブをはじめグラスゴーのバンドとも縁が深いですね。
 

The Man Who Sold the World(David Bowieカバー)曲とコード解説

『The Man Who Sold the World(世界を売った男)』は、
デヴィッド・ボウイのカバー曲で、デビッドボウイの3枚目のアルバムのタイトル曲です。

本曲が収録されているアルバムはリリースの頃は、
初期の作風とグラムロック期の『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギースターダスト)』という傑作アルバムに挟まれた時期のアルバムのため、
広くはあまり知られていなかったようです。

2020年にはボウイの意向に沿ったタイトルとジャケットでリマスター音源が発売されております。

オリジナルの雰囲気にも非常にフィットしたカバーです。
オリジナルと聞き比べるとブリティッシュとアメリカ英語の、
イントネーションの違いもはっきり感じられます。

アウトロのチェロとのユニゾンのギターソロは、
間違いなくロック史に残る名演奏でしょう。

InUteroツアー中でもよく演奏されていたようです。
イントロはハンマリングプリングで演奏されています。
バージョンによってはスライドやチョーキングもあるようです。

とにかくアウトロのギターソロがミスタッチも含めて、
バチバチにかっこいいですね。

イントロ
F Dm

メロ
A Dm A F C A Dm C

サビ
C F C# F
C F C# A

アウトロ
F Dm A Dm

Pennyroyal Tea(In Utero収録)曲とコード解説

Pennyroyal Teaは93年9月にリリースされた「In Utero」の9曲目の楽曲です。
非常にシンプルな構成ですが印象的でかっこいい楽曲です。

冷静に聴くと「疲れすぎて眠れねぇ」なんて、
日本のハードワークサラリーマンにもぶっ刺さりそうな歌詞ですね。

本曲は30秒で完成したそうです。

メロ
Am G

サビ
C D B♭

アウトロ
Am

Dumb(In Utero収録)曲とコード解説

Dumbも93年9月にリリースされた「In Utero」の収録曲です。
がこちらは90年にはすでに書かれていたそうです。リリースは2年後となりました。

『Smell's like teen spirt』と同じく、
Ⅰ→Ⅳ→Ⅲ→Ⅵのコード進行で構成されています。

メロ
Em Aadd9 G C

サビ
Em G E G

ブレイク
B C B C
B C B Aadd9

個人的にオリジナルアルバム収録の楽曲で、
一番大好きな曲です。

Polly(Nevermind収録)曲とコード解説

ボブディランがNirvanaの楽曲の中で、
「一番勇気のある曲」として評価したという楽曲です。
(詳細は触れませんが、正直、
ストレートに受け取ったなら、現代では到底発表できない内容ですよね…)

1988年には完成していたそうです。
日本国内では吉井和哉や大橋トリオにカバーされています。

イントロ・メロ
Em G D C/B
Ⅰ Ⅲ Ⅶ Ⅵ

サビ
D C G B♭
Ⅶ Ⅵ Ⅲ Ⅴ

On a Plain(Nevermind収録)曲とコード解説

On a Plainは「Nevemind」の11曲目に収録されている曲です。
Nirvanaにはめずらしくメジャーキーで統一されたまっすぐに明るい曲調です。
Lithiumが入らず本曲がセットリストに入ったのは意外だったのではないでしょうか。

アンプラグドライブ開演前に、
カートコバーンの両親がかなり苛烈に喧嘩をしていたことで気を使ったのか、
歌詞が一部変えられて演奏しているのがちょっとかなしいですね。

メロ
D G F Em
D G F Em
D C Bm A
D G F Em

サビ
D G B♭

ブリッジ
F Em A G

Something in the Way(Nevermind収録)曲とコード解説

『Something in the Way』は、
「Nevemind」の12曲目に収録されている曲です。

ニルヴァーナの楽曲はパワーコード主体で構成されているため、
長短不明瞭な楽曲が多い中で明確にマイナーキーの曲です。
(あとはSappyとかでしょうか)

こちらもアンプラグドでは半音下げで、コードはEmとCのみです。
この曲と言えばストリングスイメージですね。

Em Ⅰ
C  Ⅵ

Plateau(Meat Puphetsカバー)曲とコード解説

Plateau(プラトー)は、
Meat Puphets(ミートパペッツ)というゲスト出演したバンドの楽曲です。

当時のMTVアンプラグドは毎回ゲストを招くという構成だったそうですが、
インディー界からのゲストはやはりめずらしかったようです。

ミートパペッツはUSハードコアパンクバンドの、
Black flagのリーダーであるグレッグギンの創設した「SSTレコード」に所属したバンドです。
改めてSSTの幅の広さがうかがえますね。
(グレッグギンはNirvana視点で見るとインディ界の大先輩です)

アンプラグドで演奏した楽曲はすべて、
SSTレコードからリリースした『Meat PuppetsⅡ』(1983年リリース)に収録されています。

ミートパペッツ2アルバムデザインとジャケット

時系列的には次作1985年にリリースした『Up on the Sun』で注目を浴びることとなります。

一聴すると酩酊感があるローファイなカントリー風な曲ですが、
サビ前のブレイクや幻想的なアウトロがめちゃくちゃかっこいいですね。

イントロ・Aメロ
G B♭×3
F

サビ前ブレイク
A♭

サビ
G B♭ F
G B♭
G B♭ F
G B♭ F

アウトロ
A♭ B♭
Aadd9 Dadd9 CM7
Aadd9 CM7 Dadd9

Oh Me(Meat Puphetsカバー)曲とコード解説

アメリカのトラッドフォークな曲調です。
ミートパペッツはスタジオアルバムより、
ライブの方が演奏がめっちゃ上手いですよね。

イントロ・メロ
E Dadd9
CM7 Dadd9
E

サビ
E G ×3
E
CM7 Dadd9 E

Lake of Fire(Meat Puphetsカバー)曲とコード解説

イントロ終わりのトレモロフレーズが非常にかっこいいですね。
荒野のイメージが頭に浮かびます。
サビでのマイナー転調が非常にかっこよく、民族フォークな印象が強い曲ですね。

イントロ
G F B♭
G C B♭
G F B♭
C F G
G F ×2

メロ
G F B♭
G C B♭
G F B♭
C F G

サビ
Dm B♭ Dm A
Dm B♭ C Dm

All Apologies(In Utero収録)曲とコード解説

アンプラグド演奏はスタジオアルバムのオリジナルキーと同じく、
半音下げ+6弦のみ1音下げです(6弦のみD♭)

ギターコード自体はオープンメジャーコードの3つのみ使用されており、
各セクションはほぼ1コードで進行していきます。

ハービーハンコックにカバーされていたりと、
あらゆるジャンルのミュージシャンに、
この年代を振り返ったときに印象に残る曲になっています。

イントロ・メロ
D

サビ
G

ブレイク
A

アウトロ
D

Where Did You Sleep Last Night?(Lead Bellyカバー)曲とコード解説

『Where Did You Sleep Last Night?』は、
カートコバーンが十代後半から大ファンだったという伝説の戦前カントリーブルースマン、
「Lead Belly(レッドベリー)」の楽曲です。

レッドベリーのコンピレーションアルバムのジャケット

レッドベリーは、一時ブラインド・レモン・ジェファーソンと共に放浪し、
演奏レパートリーは500曲を超えていたとも言われています。

特に著名な代表曲はMidnight special やGoodnight ireanです。
また12弦ギターの王様とも呼ばれていました。

非常に多くのアーティストに影響を与えており、ウディーガスリーやピートシーガーなどの、
ボブディランより前に世に出たフォークミュージシャンや、
CCR(クリーデンスクリアウォーターリバイバル/Nirvanaの下積み時代にカバー演奏していたそう)や、
ライクーダーなど多くのミュージシャンにカバーされています。

エリッククラプトンも『Good night Irean』代表曲をカバーしています。

チューニングは半音下げ、下記をループします。
ほんとにかっこいいカバーです。

E A G B E

本当にレッドベリーが大好きだったようで、
本曲以外にも、『They hung him on a cross』、『Grey goose』、
『Ain't it a shame』など複数のカバー音源が残されています。
 

演奏候補曲/Old age(未発表)曲とコード解説

ニルヴァーナウィズザライツアウトのジャケット
アンプラグドで演奏はされませんでしたが、
演奏候補に上がっていた楽曲です。

カートの奥方であるコートニーラブのバンド、Holeのシングルで初めて世に出ました。
ニルヴァーナのデモバージョンは、
2004年に発売されたボックスセット「ウィズザライツアウト」のDisk2内13曲目に収録され発表されました。
いずれもスタジオバージョンはレギュラーチューニングで演奏されています。

ネットにリークされたアコギ弾き語りのホームデモバージョンは1音下げで演奏されています。

ギターコードはパワーコードとオープンメジャーコードで構成されています。
ホームデモバージョンやHoleバージョンには、
本編イントロよりも前にオープニング的な導入部が挿入されています。
(Spank thruの前半部分のような感覚でしょうか)

イントロ
E5 C5 E5 C5

Aメロ
E5 C5 E5 C5
G A C5

サビ
E5 C5 E5 C5
A
E5 A E5 A

Cメロ
B C G ×2
F

一聴するとEのオープンメジャーコードではじまるフォークっぽい素朴な曲に聞こえます。
クリスノヴォゼリックのベースラインはEマイナーキーで、
Aメロで半音ずつの下りのオブリガートが入っています。

ギターのダイアトニックスケールはEmですが、
使用コードはすべて5thのパワーコードおよびオープンメジャーコードです。
なにより歌メロの要点がメジャースケール上にあることからか、
ユニークで感傷的な歌メロになっています(ずっとEメジャーだと思ってました)。

Cメロの終わりにノンダイアトニックのFが来るのもとてもユニークですね。

演奏候補曲/Verce Chorus Verce(未発表)曲とコード解説

「メロ・サビ・メロ」みたいなタイトルです。
次作のアルバムのタイトルにも考えられていたそうで、投げやりな魅力がありますね。
この曲もアンプラグドライブでの演奏候補に上がっていたそうです。
2004年に発売されたボックスセット「ウィズザライツアウト」のDisk2内12曲目に収録されて発表されました。
ニルヴァーナウィズザライツアウトのジャケット

オリジナルはレギュラーチューニングで演奏されています。
イントロAメロのリフの後半は、
少しリチウムのようなコード進行になっています。

A F E D  Ⅰ ♭Ⅵ Ⅴ Ⅳ
A C G B♭  Ⅰ ♭Ⅲ ♭Ⅶ Ⅱ♭

サビ
F#m C#5 Aadd9 C   Ⅰ Ⅴ Ⅲ ♭Ⅴ
F#m E A        Ⅰ Ⅶ Ⅲ

なんともいえない切ない感じがします。
個人的に一番大好きなニルヴァーナの楽曲です。

ニルヴァーナ/全スタジオアルバムのかんたんな解説

最後にスタジオオリジナルアルバムのかんたんな解説をまとめます。
すべてのアルバムからアンプラグドでの演奏曲目が選ばれています。
 

Bleach(ブリーチ)

レコードレーベルサブポップ(ワシントン州のインディレーベル。グランジ勢を多数輩出した)
楽曲数13曲
制作期間1988年から1989年にかけて断続的に制作
制作費606.17ドル(約66,000円)
リリース1989年6月15日
売上枚数ネヴァーマインド発売前時点で40,000枚
アコースティック向きな曲about a girl

制作費がかけられていないこともあり粗削りですが、
『Blew』や『School』、『Negative Creep』など、
ライブでよく演奏された楽曲も多く収録されています。

USハードコアの流れを汲むバンドであることが感じられる曲調が多いです。

Nevermind(ネヴァーマインド)

ニルヴァーナネバーマインドのデザインとジャケット
レコードレーベルゲフィンレコード(のちの「ドリームワークス」創業メンバーとしても知られるデヴィットゲフィンが創設したレーベル。エアロスミスやガンズ、ソニックユースも所属した)
楽曲数12曲+1曲
制作期間1990年から1991年にかけて1年間
制作費約12万ドル(約1,300万円)
リリース1991年9月24日
売上枚数1991年11月末にプラチナディスク(100万枚)達成
1992年1月に入りはじめてチャート1位、ダブルプラチナ達成
その翌月にトリプルプラチナ。92年6月には4プラチナ、11月には5プラチナと一年たらずで500万枚販売
少なくとも累計4,000万枚
アコースティック向きな曲Comes as you are
Polly
Lithium
Something in the way

予算も労力も注がれたメジャーデビューアルバム。
これをきっかけに良かれ悪かれオルタナティブロック全般に大きな注目と資本が入っていった、
90年代を代表する教科書に乗るレベルのアルバム。

有名曲が多く、いずれの楽曲もキャッチーでポップだけどラウドな作品です。
このアルバムのワールドツアーは、
なんと200日間にも及んだそうです。
(しかも終了後まもなくIn Uteroレコーディングへ)

ニルヴァーナネバーマインドツアースケジュール
鈴木あかね著『現代ロックの基礎知識』より引用


個人的に『Lounge Act』が大好きです。
 

In Utero(インユーテロ)

ニルヴァーナインユーテロのデザインとジャケット
レコードレーベルゲフィンレコード
楽曲数12曲+1曲
制作期間1993年2月。計14日間
制作費24,000ドル+スティーブアルビニに100,000ドル
リリース1993年9月21日
売上枚数累計1,500万枚
アコースティック向きな曲Dumb
Penny royal tea
All apologies

日本とオランダのみ発売された「ホルモウニング」、
コンピレーションアルバムの「インセスティサイド」
(Dive、Aneurysmなどライブ頻出曲収録)の発売を経てリリースされました。

先行シングルであった『ハートシェイプトボックス』は、
セールス的に振るわなかったそうです。

アンプラグドでも演奏された『Dumb』と『All Apologeis』は、
1990年には作成されていたようです。
やはりファンは最高傑作に本作を選ぶ方が多いですね。

おわりに

改めて聞き直してみると、ほんとにかっこいいですね。
カートコバーンが存命だったら、
このコロナ禍の中でどんな新曲を作ってくれたでしょうね。
さらに聴き込んで理解を深めたいと思います。

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