ギター木材の違い解説【アコギ初心者さんへ】
CouleurによるPixabayからの画像

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アコギの材とはギターを構成する木材を指します。
様々な種類があり、種類の違いにより音の違いと価格の違いが生まれてきます。
材質の違いを知ることで選ぶ基準を増やすことができますよ。

アコギの材とは?

アコギは木材で製作されていますが、場所によって木材の種類が様々あります。
木材の違いで、音の性格が変わったり、値段が大きく変わったりしています。
アコギの木材の材質は一般的に「材」と呼ばれています。

材を大きく分けると「トップ材」、「バック材とサイド材」、「その他(ネック、指板)」に分かれています。

アコギの各部の木材名称(トップ、サイド、ネック)
アコギの各部の木材名称(バック、サイド、ネック)

アコギのトップ材

音のキャラクターに一番大きく影響するとされています。

アコギの代表的なトップ材

「スプルース(松)」と「シダー(ヒノキ科の樹木)」が多いです。

スプルース

「スプルース」は中でも「シトカスプルース」という木材が一番多く使われています。
「シトカ」はアメリカアラスカ州の都市名に由来し、
主に北米圏アラスカやカナダが主要な原産地として知られています。

強度が高くて丈夫であり、よく振動する特性を持っていることから、
大半のアコギのトップ材として用いられています。

同じ「シトカスプルース」材のなかでもグレードがあり、値段にかなり差があります。

シダー

「シダー」はクラシックギターやフィンガースタイル用のギターに多く用いられています。

トップ材の違い/単板・合板

材には「単板」と「合板」という違いがあります。

単板(ソリッド)

「単板」は一枚の木を開いて作られています。
注意点として、「単板」でも1枚ものの木材をいくつかつなぎ合わせて製作されているため、
繋ぎ目があるから「合板」というわけではありません。

「単板」の方が響きやすく音量が大きく、価格も高い傾向にあります。
単純に比較して弾き比べてみると、明らかに音がおっきいです。
大きく鳴るということはよく振動しているということを意味します。

また「単板」は木材が成長するという面があり、経年での音の変化を楽しむこともできます。

ヤマハモリダイラ楽器(モーリス)の二つの二大国産ブランドのエントリーモデルは、
安価ながら単板のスプルースで構成されているため非常におすすめです。

合板(レイヤード)

反対に何枚も木を重ねて作られているのが「合板」です。
薄く削いだ複数の木材を圧力をかけて接着させることで作られています。

間に接着剤や混合物が入ることで、単板よりも音の輪郭がぼやけるなどの通説があります。

とはいえ「合板」のクオリティは各メーカーの研究が進んでおり上がってきているようです。
またエレアコなどの場合、単板に比べ結果的にハウリングを防いでくれやすくもなります。

自然環境の激変からの社会要請の影響もあり、
「単板」の木材が確保が年々難しくなっているため今後は避けようのない流れでもあるようです。

「単板」と違い木材が経年により変形しないことから、「合板」は丈夫で堅牢な作りのものが多いです。

おまけ/トップ材のブレイシング

「トップ」材の裏面に施されている「ブレイシング」の構成でも音への影響があります。
アコギの整備、お掃除
(サウンドホールに手を入れて触ってみるとブレイシングに気が付けます)

「ブレイシング」はトップ裏面の力木(ちからぎ)という補強材のことを指します。
主に響きに影響してきます。

このブレイシング機構の元祖もマーチンです(さすがですね)。
中には「スキャロップドブレイシング」という作りのものもあります。
ブレイシングを削って、より響きやすくするための施工がされております。
高価な機種に施されていることが多いですが、好みの問題にも関わってくるため必ずしも良いというものでもないようです。

トップ材のカタログスペックをご覧になる際に合わせて確認してみましょう。

アコギのバック材・サイド材

主に音の伸び、サステインに大きく影響を持っています。
バック材はアコギの背面部分の木材を指し、サイド材はアコギの側面の木材を指します。
バック材にはデザインが複数ありますが、縦に真ん中で割れた2ピースのものが一番多く見られます。
(ぱっと見割れていないようにみえても大抵割れた2枚が繋げられています)

アコギの代表的なバック材・サイド材

「ローズウッド」や「マホガニー」などの木材が多く使われてきました。

ローズウッド

ローズウッドの名前は、切り出した木材から薔薇の匂いがすることに由来しています。

中でも「ブラジリアンローズウッド」は別名「ハカランダ(ジャカランダ)」と呼ばれており、
高級材として一番有名でした。
現在はワシントン条約で取引が完全制限されております。

そのため現代でアコギのメーカーが、
「ハカランダ(ジャカランダ)」材を用いた高級機種を製作する際は、
すでに仕入れていた在庫で高級機種の製作を行っています。

現在では「ハカランダ(ジャカランダ)」の代わりに「インディアンローズウッド」が一般的になっています。
現在「ローズウッド」というとこちらを指します。
樹木の成長が早く伐採のコストパフォーマンスに優れているため代替材として広く使われるようになったようです。

「ハカランダ(ジャカランダ)」のような完全規制ではないものの、
ワシントン条約の規制リストの仲間入りをした様子ですので、
今後また別の代替材が増えてくるかもしれません。

余談ですが南米の「ハカランダ(ジャカランダ)」は、
桜のような花が咲く木としても知られています。

マホガニー

ローズウッドと並んでバック・サイドによく用いられる木材です。
ローズウッドと比較すると軽やかな音色を持っています。

「トップ材」の「スプルース」のように、ピンからキリまで木材のグレードがあります。
もともと高級家具などにも用いられる木材でもあるため、グレードにより値段が高くなる傾向にあります。

そのため「サペリ」や「ナトー」などの代用の木材も増えてきています。

その他/ネック材、指板材など

トップ、バック、サイドといった主要部分以外の部分の木材です。

ネック材

高級な機種には「ローズウッド」や「マホガニー」の上位グレードのものが多く用いられています。
価格を低く保つために「サペリ」での代用が増えています。

指板材

「ローズウッド」か「エボニー」(黒檀=こくたん)がよく使われています。
「エボニー」は特に高級機種に用いられている印象です。
「エボニー」は単純にビジュアルとして真っ黒でめっちゃかっこいいです。

木材としては堅牢なタイプである「ローズウッド」よりさらに硬い木材です。
ひび割れることがあるため、オイルでの保湿がメンテナンスの際は求められます。

まとめ

木材の種類を知ってカタログスペックでも比較ができるとアコギ選びのものさしが増えておもしろいですよ。

でも一番は弾いて「なんだかしっくりくる!」かということや「かっこいい!」と思えるなど、
あなたの心がどう感じるかが一番大事な要素です!

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