文字をクリックするとジャンプします
ハーモニクスチューニングの謎のかっこよさ
楽器屋さんで恐る恐る試奏をお願いした際の店員さんや、
「何か弾いてみてよ」話を振られた手慣れたギタリストがさっと行うチューニングに、
「ハーモニクスチューニング」があります。
特定のフレット上で軽く弦に触れながら鳴らすと出音される、
「ポーン」のあの音を用いて行うチューニング方法です。
きっとどこかでご覧になったことがあるかのではないでしょうか。
このチューニング、なんだかかっこいいのです。
しかも開放弦だけで合わせていくチューニングよりも正確なチューニングができます。
クリップチューナーや精度の高いチューナーを使用すればより正確なチューニングがもちろん可能ですが、
「何か弾いてよ」と急かつ雑に振られた際はそんな便利なものは持ってないことが大半。
こういう際に「ハーモニクスチューニング」が使えると開放弦で合わせるよりも正確に調律ができつつ、
これ自体が特にアコギに映える一つの「パフォーマンス」として成立します。
色んなところで紹介されているのですが、
読んだだけだとても覚えにくいです。
なんとなく3弦あたりからいつもあやふやな記憶になりがちです。
これで最後になるよう解説いたします。
可能であればアコギを手にしながらぜひお読みください。
スマホで5弦開放弦「A」の音を確認
どんなにとっさの時でもスマホはお持ちかと思いますのでスマホを使っていきましょう。
スマホも無い場合は「何か弾いてよ」とおっしゃった方へ貸してくださいと迫りましょう。
YouTubeで「440ヘルツ」と調べてみてください。
クラシック等でも用いられる楽器調律の基準音となる「A(ラ)」の音が確認できます。
これを聞きながら「開放弦の5弦」、または「5弦5フレットのナチュラルハーモニクス」をチューニングしましょう。
何かの問題でYouTubeが立ちあげられない方はこちらの「A(ラ)」音の音源をご参照ください。
117で2弦の開放弦「B(シ)」を確認
スマホのその他方法にはNTTの「117」に電話をかけると、
「ピッ、ピッ、ピッ、ポーン」と時報が確認できますスマホでできます。
が、こちらは残念ながら「A(ラ)」ではなく「B(シ)」の音で、
2弦の開放弦の音がなります。
チューニングを合わせるには少し面倒なところからスタートになります。
何より3分で8円かかってしまいます。
1分で合わせられたとしても2.6円程度かかってしまいますので回数が重なると地味に嫌になりそうです。
基準音を確認できましたら、アコギを手にして読み進めてください。
では手順を見ていきましょう。
手順その1
まずは5弦7フレットのナチュラルハーモニクス音に、
6弦の5フレットのナチュラルハーモニクス音を合わせて行きます。
6弦側を合わせていきますので、6弦のペグを回していきます。
念のため基本的なチューニング方法はこちらで解説しております。
手順その2
続いて5弦5フレットのナチュラルハーモニクス音に、
4弦の7フレットのナチュラルハーモニクスの音を合わせます。
手順その3
次に4弦の5フレットのナチュラルハーモニクス音に、
3弦の7フレットのナチュラルハーモニクスの音を合わせます。
ここまでが素直な階段状のフォームできています。
手順その4
お次は5弦の7フレットのナチュラルハーモニクスを使います。
こちらに「1 弦の開放弦」の音を合わせます。
記憶があやふやになる大体はこの部分のせいです。
要するに既にチューニングの終わった弦に合わせて、
1弦の開放弦Eをチューニングしていきます。
ちなみにフェンダー社公式では3弦の9フレット(!)のナチュラルハーモニクスと、
2弦の5フレットのナチュラルハーモニクスを用いた合わせ方を解説されています。
なんか余計かっこいいですね。
ただ3弦9フレットのナチュラルハーモニクスは聞き取りにくいため、
難しい場合は無理せず開放弦を使う方法を利用しましょう。
手順その5
最後に1弦の7フレットのナチュラルハーモニクスに、
2弦の5フレットのナチュラルハーモニクス音を合わせて行きます。
(3弦9フレットのナチュラルハーモニクスで合わせた場合は、2弦に1弦を合わせます)
これで一周終了です。
一周を終えましたら、手順その1からもう一度チューニングチェックし、
ズレが無いかを確認しておければさらに完璧です。
おまけ:スマホが無い場合の「ハーモニクスチューニング」の方法
どうしてもスマホが無い場合は、
とにかく「5弦の開放弦」の音を確認できる品を見つけましょう(これが一番難しそうですね)。
基準の音が確認できさえすれば手順はすべて同じです。
- 音叉で合わせる
かつてのチューニングと言えばこれを鳴らして耳元で聞いて開放弦を合わせたり、
ピックガードに持ち手部分を当ててボディに共鳴させたりしていましたね。
いまなかなか持ってないですよね…。
- テレビ・ラジオの時報(「ピッ、ピッ、ピッ、ポーン」のやつ)を確認する
テレビやラジオの一時間ごとに時報がかかることがあり、
これも「A(ラ)」の音と言われています。
このタイミングに出くわすほうが難しそうですね…。
まとめ
基準音が確認できれば、
あとは手で覚えてしまうことで頭のなかに定着してくれる確率があがります。
クリップチューナーで追い込んだほうが当然精度は高くなりますが、
もしものときにはぜひ使ってみてください。