アコギの弦高調整の解説【弦高診断から各種調整まで】
PexelsによるPixabayからの画像

当サイトにはプロモーションが含まれる場合がございます。

 

スポンサーリンク

アコギの弦高調整されていますか?
弦交換でさえ面倒なところに弦高調整まで行うとなると大変なイメージですが、
コツがわかればかんたんにチェックすることができます。
適切な弦高調整ができれば、弾きやすさが断然変わってきますので、
ぜひチェック方法、調性方法を身に着けてみましょう。

 

アコギ弦高調整とは?

弦高調節概要現在の状態を正確に計測し、正常な状態に戻してあげることを指します。
適正な高さに落ち着くよう調整すること。
ちなみに弦のゲージを上げると、テンション・張力が上がるため、
結果として弦高が上がってきます。
ゲージの太さだけで1mくらいかんたんに変わってしまいますのでご注意ください。

逆に言うと、弦高の高さで困っている場合は、
ゲージを落としてあげるとあまり手をかけずに状況を改善することができます。

 

アコギ弦高調整に必要な2つのもの

弦高調整には主に二つのアイテムを準備します。

  • 「直尺(金尺)」または弦メーカー等の弦高測定定規
  • 持ち手のついた「六角レンチ」または「ボックスレンチ」

 

ミリ単位の調節となるため、金属製の定規を必ず用意しましょう。
中でも定規の端から測定が可能な「直尺(金尺)」でご準備ください。

直尺と普通の定規の比較

 

弦メーカー等の販売している弦高測定用の名刺大の定規も使いやすいです。
ダダリオ弦高測定用定規PW-SHG-01

 

測定だけ行い、リペアショップに持ち込むのが確実ですが、
ご自身で調整をしても良い!という方はトラスロッドの調整用に「六角レンチ」も準備しましょう。

サウンドホール内にトラスロッドが位置しているアコギの場合は、
持ち手のある六角レンチが非常に便利ですので、ぜひご準備ください。
逆にギブソン系のヘッドにトラスロッドが位置している場合は、
「ボックスレンチ」が便利です。

 

トラスロッドの位置
  • マーチン系→サウンドホール内
  • ギブソン系→ヘッド部分

 

 

アコギ弦高の測り方・注意点

アコギの弦高の高さの測り方です。
普通に演奏する構えの高さで図るようご注意ください。
アコギ本体を寝かせてしまうと、
本体の重量によって弦のテンションのかかり具合が変わってしまい、正確な数値が出せないことがあります。

12フレット上の弦高をノギスで確認していきましょう。

 

アコギのネック反りの判定法/タッピング方式

アコギに限らずギターの弦高診断チェックには、
「タッピング方式」と呼ばれる方法が用いられています。

ギターのフレット上の1フレットと12フレットを両手の指で押さえ、
その状態で弦とフレットの間の隙間がどの程度開くかで判定していきます。

これはギターネックに仕込まれている「トラスロッド」と呼ばれる鉄芯が、
基本的に12フレットまでに納められていることに起因しています。
ハイフレットになるほど弦とフレットの隙間が詰まっていくところ、
1フレットと12フレットをストレートに結んで計測しやすくするために行います。

抑えた後は、余った指で弦を叩いていきます。
目視ではわからなくても、
「カチカチカチカチ」と音が鳴る程度の小さい隙間(0.2~0.5mmほど)があるのが正常な状態とされております。

隙間が大きく開けば「順反り」傾向、
逆にまったく隙間がなければ(フレットに弦がぴったりとくっついてしまう)「逆反り」傾向と診断します。

診断を踏まえてトラスロッドの調整をはじめ、
様々な処置後に同じ方法で確認するまでが全体の作業工程となります。

 

アコギのネック反りの種類

アコギのネックの反りは、「順反り」と「逆反り」の二種類があります。

 

「順反り」と「逆反り」の比較一覧

比較項目 「順反り」 「逆反り」
反り方のイメージ 猫背 鳩胸
弦高の特徴 高くなりやすい 低くなりやすい
演奏者に対しての反り方 演奏者側にネックが湾曲する、ネックが起き上がるイメージ 演奏者と反対側にネックが湾曲する

 

いわゆるビンテージギターと呼ばれる個体は、
基本順反り傾向にあるとされています。
また弦のゲージを細いものを使用していてるにも関わらず弦高が高い場合は、
「順反り」している可能性が高いといわれています。

(※1 ネックのハイポジの「元起き」という症状もありえますが、割愛します)
(※2 いずれのギターも少なからず「元起き」しているものだという説も多いです)

 

アコギ弦高の調整・トラスロッドの操作方法

弦高の傾向が判定できましたらトラスロッドを調整して、
ネックをストレート寄りにしてあげることで演奏しやすくすることができます。

はじめて触る際は本当に触ってしまっていいのか非常に緊張しますが、
回しすぎたとしても元に戻せば良いだけですので、さほぼ怖がることはありません。
ただし、どの程度回したかわかるようには注意しておきましょう。
「45度ずつで様子を見る」というのが一般的な操作です。

…とはいえ念のため、本当に高額な一張羅のギターよりは練習用のギターで試されることをおすすめします

 

トラスロッドの操作方法

比較項目 「順反り」 「逆反り」
トラスロッドの回す方向 右側 左側
効果 「順反り」を緩和する(締める) 「逆反り」を緩和する(緩める)

 

サウンドホール内にトラスロッド穴がある場合、
「順反り」を緩和するには右側へ回します(締める)。
「逆反り」を緩和するには左側へ回します(緩む)。

 

そのほかの弦高調整などの方法

弦高診断後のトラスロッド調整だけではしっくりこない場合の方法を下記でご紹介します。
かなりの時間と労力がかかりますので、
ギターをいじるのが好きな方にのみおすすめします。

何よりリペアショップへのお持ち込みが確実な分野になりますので、
調整にはご注意ください。

 

ブリッジの調整

トラスロッドで調整がしきれず引き続き弦高が高いという場合は、
「サドルを削る」という方法もあります。

6弦側の山が高い場合は、
一般的に下げたい高さ×2倍分を削っていきます。

例えば6弦側を0.5m、1弦側を0.3m下げたい場合は、
6弦側を1m、1弦側を0.6m削ることになります。

サドルを削るには「ヤスリ」や「サンドペーパー」をはじめ、
固定するための「水平なガラス板」などが必要になります。

作業前には定規2つで目標地点を鉛筆やシャープペンシルなどで必ず書き込んでおきましょう。
板へ両面テープなどで固定し、サンドペーパーで削っていきます。
作業本体だけでだいたい4~5時間程度はかかった覚えがありますので、
準備も含めると休日すべてぶつける必要がでてきます。汗

 

 

 

スポンサーリンク
おすすめの記事