サスツー(sus2)コードは、軽やかで澄んだ印象のコードです。
sus4同様、Jポップをはじめケルト音楽やオルタナティブロックなどなど、
様々楽曲のコード進行に頻出のコードでもあります。
身につけることでより演奏の幅や深みを持たせることができますし、
メジャーオープンコードを変化させた形状のフォームも少なくないので、
比較的覚えやすいフォームが多いこともうれしいですね。
特にadd9とは似ているフォームも多くあります。
sus4(サスフォー)と一緒に覚えてしまうと、
ギターコードの構成理解も捗るためおすすめです。
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サスツー(sus2)コードの構成音の解説
サスツー(sus2)コードは「三和音(トライアド)」のコードの一種です。
主に「トライアド(三和音)」のコードの、
「3度」の音を吊り下げる(suspend)ことで成り立っています。
そのためコードの英名もそのまま「suspended 2nd」と呼ばれております。
具体的には、
- ルート音
- 2度
- 5度
の3つの音から成り立っています。
(サスフォーは4度へ吊り上げ、サスツーは2度へ吊り下げていますね)
メジャートライアドで見る場合は長3度を1音下げることで、
マイナートライアドの見る場合は短3度を半音下げることで成り立ちます。
例として「Dsus2(Dサスツー)」では、
ルート音 | D |
---|---|
2度 | E |
5度 | A |
の音から構成されています。
sus4→メジャートライアド→sus2→メジャートライアドのコード進行など、
一連のコードフレーズの経過音としてもよく使われており、
曲の流れをより細やかに演出してくれるようになります。
(スピッツの『涙がキラリ』のイントロなどが有名ですね)
なにより調性の曖昧な魅力的なコードとしてよく使われており、
そのためケルト音楽やオルタナティブロックなど、
調性を曖昧にすることでより魅力が深くなっている音楽にもよく見受けられるコードとなっております。
調性を曖昧にするパワーコード(○5、omit3)とはまた違った深みのある魅力があります。
お手元に一冊はコードフォームの指板図がわかる本があると、
気になったものを確認ついでに関連コードも理解が深まりますのでおすすめです。
サスツーコードフォーム・指板図まとめ
サスツーコードのコードフォームには、
開放弦を伴うコードフォームがたくさんあります。
基本的にメジャートライアドのオープンコード
から一部分の指を外して開放弦を含めたものが多く、
覚えやすいのに使用効果が高い素敵なコードとなっています。
Csus2(Cサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Cメジャーのオープンコードと比較すると、
少し変えるだけと言いつつしょっぱなからかなり変わった印象のフォームですね…。
押さえ方の形的にはGメジャートライアドなどが近いように思います。
ただ、音色には唯一無二の魅力があります。
ルート音以外の構造としては、
Cオープンメジャーコードの長3度のEから指を離して開放弦を鳴らし、
2弦の3フレットのDとその真下の1弦も押さえてGを鳴らすことで完成します。
複雑そうですが、あくまで3度を吊り下げた形になっていますのでご安心ください。
C(ルート音) | 中指(5弦3フレット) |
---|---|
D(2度) | 開放弦4弦、薬指(2弦3フレット) |
G(5度) | 開放弦3弦、小指(1弦3フレット) |
Dsus2(Dサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Dメジャーのオープンコードと比較すると、
Dサスツーは非常に覚えやすい構造になっています。
なんせ指一本離すだけで鳴ってくれます。
スピッツの名曲『涙がキラリ』のイントロのコード進行となる、
「sus4」→「メジャートライアド」→「sus2」→「メジャートライアド」でも感じられるように、
コードチェンジのかんたんさとは裏腹にとても印象的な進行になりやすいですね。
add9とは、ほぼ同じコードフォームであることも伺えます。
D(ルート音) | 開放弦4弦、薬指(2弦3フレット) |
---|---|
E(2度) | 開放弦1弦 |
A(5度) | 人指し指3弦2フレット |
個人的に大好きなコードの一つです。
Esus2(Eサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Eメジャーのオープンコードより、
add9のフォームと比較するほうがわかりやすいですね。
人差し指だけ離してミュートしてあげるとEsus2が鳴ります。
3度の音を担当した人差し指が離れ、小指でF#を加えた形になっています。
E(ルート) | 6弦開放、薬指(4弦2フレット) |
---|---|
F#(2度) | 小指(1弦2フレット) |
B(5度) | 中指(5弦2フレット)、2弦開放 |
Fsus2(Fサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Fと聴くと、どうしてもバレーコードをイメージしがちですが、
Fアドナインスのコードフォームはバレーフォームではありません。
パワーコード(オミット3)コードとほぼ同じコードフォームとなっているため、
比較すると覚えやすい形になっています。
3弦の開放弦も同時に鳴らすことでFsus2が鳴ります。
余計な音が混ざらないよう、2弦と1弦はミュートしてあげてください。
F(ルート) | 人指し指(1弦1フレット)、小指(4弦3フレット) |
---|---|
G(2度) | 3弦開放弦 |
C | 薬指(5弦3フレット) |
Gsus2(Gサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Gsus2もGメジャーのオープンコードと比較するより、
add9のフォームと比較するほうがわかりやすいです。
メジャー・マイナーを決定づける3度の音となる開放弦Bだったところを押弦し、
Dの5度の音を鳴らしています。
G(ルート) | 中指(6弦3フレット)、、小指(1弦3フレット) |
---|---|
A(2度) | 5弦開放弦、人指し指(3弦2フレット) |
D(5度) | 4弦開放、薬指(2弦3フレット) |
Asus2(Aサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Asus2は、コードフォーム上ではadd9と全く同じコードフォームとなっています。
Aメジャーのオープンコードと比較すると、
2弦2フレットのみ外しています。
非常に押さえやすいのに、調性をあいまいにしてコード進行に変化をつけてくれるので、
よく使われています。
A(ルート) | 5弦開放、薬指(3弦2フレット) |
---|---|
B(2度) | 2弦開放 |
E(5度)中指 | 中指(4弦2フレット)、1弦開放 |
Bsus2(Bサスツー)のコードフォーム・指板図解説
Bsus2も、コードフォーム上ではadd9と全く同じコードフォームとなっています。
Bメジャーのコードフォームと比較すると、
2弦4フレットのみ指を外しています。
sus2のバレーコードフォームにおいて共通のコードフォームとなります。
B(ルート) | 人指し指(5弦2フレット)、小指(3弦4フレット) |
---|---|
C#(2度) | 人指し指(2弦2フレット) |
F#(5度) | 薬指(4弦4フレット)、人指し指(1弦2フレット) |
サスツーの共通バレーコードフォーム指板図まとめ
sus2(サスツー)のコードフォームには、
5弦ルートの共通のバレーコードフォームがあります。
add9と同じコードフォームのため、指に慣らしておけるととても便利です。
#や♭などの半音ごとにずれるコードフォームももちろん対応します。
ちなみにsus4とメジャーコードとsus2のコードフォームを比較すると下記の通りです。
おわりに
sus2のコードは、
オープンメジャーコードやadd9似た押さえやすいコードフォームです。
押さえやすいのに弾き語りはもちろん、
コードバッキング・伴奏の表情をより複雑に、豊かにしてくれます。
特にadd9(アドナインス)のコードフォームとは、
全く同じコードフォームも少なくないためより覚えやすいつくりになっています。
またsus4と合わせて覚えると、
ギターコードの構成も理解しやすくとてもおすすめです。
ギターコードは泳ぎ方や自転車の乗り方のように、
一度おぼえてしまうと長くつかっていくことができます。
また、他の派生コードも覚えやすくなるため、
ひとつずつ確実に覚えて引き出しを増やしていきましょう。